DeNAオーナーが愛されるワケ ビールかけも参加、PS全観戦…着続けたブルージャケット

日本一に輝き、笑顔で談笑するDeNA・三浦大輔監督(左)と南場智子オーナー【写真提供:産経新聞社】
日本一に輝き、笑顔で談笑するDeNA・三浦大輔監督(左)と南場智子オーナー【写真提供:産経新聞社】

26年ぶり日本一に歓喜も「リーグ優勝していないのでそれは大きな忘れ物」

 DeNAはソフトバンクとの「SMBC日本シリーズ2024」を4勝2敗で制し、26年ぶりの日本一に輝いた。南場智子オーナーにとっても悲願成就。「生きててよかったなと。横浜、神奈川、全国のDeNAベイスターズファンの皆さんに恩返しが少しはできたかなという感じで、それが一番うれしかったです」と感慨に浸った。

 ベイスターズブルーのジャケットに紺のスカートで最高の景色を目に焼き付けた南場オーナー。実はこの鮮やかなジャケットは、2連敗で乗り込んだみずほPayPayドームでの第3戦で着用。この試合で怪我明けの東克樹投手が7回105球を10安打されながら1失点と力投してシリーズ初勝利を挙げると「変えられない」とゲンを担いで着続けた。

 日本シリーズ期間中には自身のX(旧ツイッター)に「職業野球観戦者ですポストシーズン全部現地!」と投稿したほど、チームを、そして野球を愛する。そんな姿を知っているからこそ、セレモニーで場内を一周した際には「南場さん、ありがとう!!」という声があちらこちらから飛んだ。

「選手たちが誇らしかったですし、フィールドに出ている選手だけじゃなくて、そのチャンスのなかった選手も助かりましたし、チームのスタッフも球団の職員たちも、ものすごい準備をしている。それの成果が出て全員で達成したことだと思いまして、それについてありがたく、かつ誇らしく思います」。大好きなチームがたどり着いた頂点に胸を張った。そしてすぐに「やはりリーグ優勝していないので、それは大きな忘れ物。ちゃんと来年以降取りに行かないといけないと思っています」と目標を定めた。

 2015年に球団オーナーに就任。2006年からチームはBクラスが続いており、空席だらけの本拠地がスタートだった。「チームもすごく弱かったですし、空席が目立つ状態だったんですけど、頑張っていいことをすればお客さんも来てくださるようになると。それの積み重ねでした」。球団、チームが一体となり、歩み続けて10年。この日は割れんばかりの歓声が響き続けた。

 クライマックスシリーズを制した10月21日の試合後に行われたビールかけ。南場オーナーや木村洋太球団社長らは離れたところからそっと見守っていた。「日本一になったら存分に浴びますから」。その言葉通り、この日は青色のカッパを着て、“お預け”にしていた美酒を気持ちよさそうに浴びた。

(町田利衣 / Rie Machida)

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