紆余曲折の1年も「内容はすごくいい」 “無敵”の中川圭太、復活へ「間違いじゃない」

オリックス・中川圭太【写真:北野正樹】
オリックス・中川圭太【写真:北野正樹】

中川圭太、規定打席到達ならずも「内容としてはすごくいい1年だった」

 紆余曲折の1年から学ぶこともある。オリックス・中川圭太内野手は、2度の戦線離脱で過ごしたファームで、今後の方向性を見つけた。

「1年に2度も怪我をした、今までにないシーズンでした。周りから見ればあまりよくないと思われるかもしれませんが、僕のやってきた内容としてはすごくいい1年だったと思います」。中川は開口一番、意外な言葉で6年目のシーズンを振り返った。

 中川はPL学園、東洋大から2018年ドラフト7位でオリックスに入団。巧みなバットコントロールで、プロ1年目のセ・パ交流戦で新人として史上初の交流戦首位打者に輝いた。しかし、今季は2度、太ももを痛めて60試合出場にとどまり、3年連続の規定打席到達を逃す悔しいシーズンを送った。

 そんな中でも1度目の戦列復帰を果たした5月8日からの20試合で、10試合連続を含む25安打で打率.329をマークするなど、存在感を示した。実りがあったのは、2度目の1軍選手登録を抹消された8月23日以降の取り組みだった。

「2022年からずっと1軍にいましたが、その時には得られなかった練習方法やトレーニング方法を今年はできました。打撃の方向性も見えた、すごくいい期間だったんです」。そのまま1軍復帰は果せなかったが、その間の練習が自分を見つめ直す時間になったという。

 高知で行われた秋季キャンプにも参加した。野手では29歳の若月健矢捕手に次ぐ年長者。「今、やっていることを継続するためにも行きたかったんです。自主練習になれば練習量も落ちますから、ちょっとでも長くやっていた方が何かをつかめると思って」。

 まだ、答えは出ていないというが「やっていることが間違いじゃないという方向は見えています」。チャンスに強く、中嶋聡前監督が名付けた“無敵の中川”が戻ってくる日は近い。

○北野正樹(きたの・まさき)大阪府生まれ。読売新聞大阪本社を経て、2020年12月からフリーランス。プロ野球・南海、阪急、巨人、阪神のほか、アマチュア野球やバレーボールなどを担当。1989年シーズンから発足したオリックスの担当記者1期生。関西運動記者クラブ会友。2023年12月からFull-Count編集部の「オリックス取材班」へ。

(北野正樹 / Masaki Kitano)

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