“オッサン”が見せる若手への姿勢 最年長・平野佳寿「俺らもやらなアカンと思ってくれたら」

オリックス・平野佳寿【写真:北野正樹】
オリックス・平野佳寿【写真:北野正樹】

比嘉の引退で最年長になった平野佳寿「俺らもやらなアカンと思ってくれたら」

 身をもって範を示す。オリックス・平野佳寿投手がチーム最年長となるプロ20年目を、率先垂範で投手陣を引っ張る覚悟でいる。「簡単に言えば、オッサンがやっているから、俺らもやらなアカンと思ってくれたらそれでいいんです」。真剣な表情で前を見据えた。

 平野は京産大から2005年ドラフト希望枠でオリックスに入団し、最優秀中継ぎ(2011年)、最多セーブ(2014年)を獲得。海外フリーエージェント(FA)制度を行使し、2018年からMLBに挑戦した。2021年からオリックスに復帰して、リーグ3連覇や日本一に貢献。史上初の日米通算200セーブ&200ホールド、史上4人目の日米通算250セーブをマークした球界のレジェンドだ。

 2歳上の比嘉幹貴投手が現役引退し、来季は1軍投手コーチに就任したことで、平野がチーム最年長になる。「最年長は意識しますよ。特にこれをしなければいかんとかはないのですが、下手なことはできないな、という思いはあります」。

 もちろん、平野はこれまでも比嘉とともに準備の大切さやマウンドでの心構えなどの助言を若い投手たちに送り、ブルペン陣の精神的支柱となってきた。それでも、チーム最年長としての立場はこれまで以上に重く感じている。

「しっかりとやっているところを見せれば、みんなも『あの人がやっているから、やらなアカン』というようになります。チームにとってもいいことだと思います。見本にまではいかなくても、上の人(首脳陣)もそれを求めていると思うんで。一番上の人間がダラけたりすると、元も子もありませんからね」

 プロ19年目の今季は、右肘の張りや下半身のコンディション不良で、1軍登板は12試合(1勝1敗7セーブ)にとどまり、目標としたNPB通算250セーブにあと1に迫ったまま、シーズンを終えた。「今年はこんな成績でしたから、来年はしっかりとチームの戦力になりたいですよ。もう1度、上で投げられるように、しっかりとアピールしたい」。投手陣を引っ張るためにも、1軍のマウンドで絶対的守護神として復活を誓う。

○北野正樹(きたの・まさき)大阪府生まれ。読売新聞大阪本社を経て、2020年12月からフリーランス。プロ野球・南海、阪急、巨人、阪神のほか、アマチュア野球やバレーボールなどを担当。1989年シーズンから発足したオリックスの担当記者1期生。関西運動記者クラブ会友。2023年12月からFull-Count編集部の「オリックス取材班」へ。

(北野正樹 / Masaki Kitano)

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