DeNA守護神が大幅アップで1億円プレーヤー仲間入り 球団が評価した投球以外の“貢献”
56登板で29Sの森原は4300万円の大幅増で更改「来季、1億円です」
26年ぶり日本一の“胴上げ投手”となったDeNAの森原康平投手が29日、横浜市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、4300万円増となる年俸1億円でサインした(金額は推定)。大幅アップとなった背景には、球団から投球面以外で評価された点があった。
「来季、1億円です」。森原は晴れやかな表情で“一流プレーヤー”の仲間入りを報告した。守護神として56試合の登板で2勝6敗、29セーブ11ホールド、防御率2.41の成績。ソフトバンクとの日本シリーズでも最後のマウンドに立ち、歓喜の瞬間をもたらした。
昨オフ、自主トレ先の知人と「1億円到達」と誓い合った。昨年の契約更改でも2200万円の大幅アップを勝ち取っていたが、2年連続での大昇給で目標に到達し「果たせたことがよかったですし、喜んでくれる人もいる。応援してくれている方々にひとつ恩返しできた部分ではあるのかなと思います。ひとつのラインとして意識はしていましたし、年俸をもらうことは責任が出てくると思うのでまた気を引き締めてまだまだ成長していきたいと思います」と言葉に力を込めた。
交渉の席で球団からはフル回転を称えられただけでなく「自主トレをやってきたメンバーがみんなよかったので、そういうところも含めてありがとうねと言ってもらいました」と“森原組”の後輩たちの台頭を称えられたという。
昨オフ、自身の自主トレに参加した坂本裕哉投手、徳山壮磨投手、中川虎生投手が今季、目覚ましい飛躍を遂げた。坂本と中川虎は1軍と2軍を行ったり来たりで、徳山はプロ入り後にイップスのどん底を経験していたが、森原の技術だけでなくポジティブなメンタルの保ち方で“変身”。「自主トレメンバーがみんなキャリアハイを出してくれたので、それが一番うれしいです。自分のこともあるんですけど、正直自分のことよりうれしいです」とこの日一番の笑顔を見せた。
「シーズン入る前に『うまい選手より強い選手』というテーマを設けて、フィジカル的にもメンタル的にも強くありたいと思った。ポストシーズンを含めて1年間完走できて強い選手は達成することができたのかなと思います。日本一が取れてよかったですけど、やはりリーグ優勝というところは来年みんなでやっていきたいと思います」と森原。頼もしい右腕には、マウンドに立つだけではない“貢献”がある。
(町田利衣 / Rie Machida)