大谷翔平の“トロント騒動”は「最大の失望」 代理人がにじませた怒り「傷つけた」
「完全に秘密裏に進めていた」も…トロント行き報道は否定した
ドジャースの大谷翔平投手は昨オフ、エンゼルスからドジャースに移籍した。二刀流のスーパースターの移籍を巡ってはさまざまな報道が駆け巡ったが、米全国紙「USAトゥデイ」のボブ・ナイチンゲール記者は、ネズ・バレロ代理人が語った“トロント騒動”について明かした。
大谷の交渉過程を「完全に秘密裏に進めていた」と同紙。「ドジャース、ジャイアンツ、ブルージェイズと個別に会談を行ったが、チーム関係者と会うために移動したことを明かすことはもちろん、(会ったことを)認めることさえもしなかった」という徹底ぶりだった。
バレロ氏が交渉中に発言したのは、大谷がブルージェイズと契約を結ぶためにトロントに向かう飛行機に乗っているという誤報道を否定したときと、契約はすでに成立したという報道を否定したときだけだった。
「あのようなことが起こったことで、カナダで騒動を引き起こしたくなかったのです」とバレロ氏。「カナダの人々は善良で、優れた人々です。あのジャーナリストがやったことはあまりに無謀でした。それは球団(ブルージェイズ)、球団のファン、カナダという国を傷つけました」と怒りをにじませた。
「まだ話し合いを続けていた球団から連絡があり、私は『いや、私はトロント行きの飛行機には乗っていませんし、ショウヘイもトロント行きの飛行機には乗っていません。私たちはここにいますよ』と言いました。唯一、連絡をくれなかったのはトロントでした。彼らは私が飛行機に乗っていないことを知っていたのです。ファンや球団(ブルージェイズ)、そして国(カナダ)に対して本当に申し訳なく感じました。ほんの一瞬、彼らはみんなショウヘイが来ると思ったからです。それがこの過程で最大の失望でした。すべてがとてもスムーズで順調だったのに、あんなことが起きてしまったのです」
カステンCEO敬意「静かに進められました」
1年後の今オフ、同様の状況に直面しているのがヤンキースをFAとなったフアン・ソト外野手だ。11月下旬にはレッドソックスと契約を結んだという誤報道が出たり、メッツやヤンキース、ブルージェイズとの契約報道も。これらはすべて、ボラス氏によって強く否定された。
「だからこそ、ショウヘイと私は沈黙を守っていたのです。私は憶測を避けたかった。交渉を公にしたくなかった。さまざまな球団と行っている話し合いを邪魔するものは要らなかったのです。憶測や噂が、私たちが望んでいる結果に影響を与えないように。これはビジネスを進める上で健全な方法です」とバレロ氏。目標は達成され、12月9日(日本時間10日)にバレロ氏がドジャースのフリードマン編成本部長に電話で入団を伝えた。フリードマン編成本部長は、スタン・カステンCEOにそれをすぐに伝え、大谷が自身のインスタグラムで発表した。
カステンCEOは「ネズ(バレロ)はすべての段階で我々に対して完全に正直でした。すべてが非常にプロフェッショナルでした。『静かに進めたい。サーカスのようにしたくない』と言っていました。ですから、両側ともプロフェッショナルで、敬意を持って、静かに進められました」と敬意を表した。全世界が注目した交渉劇だけに、さまざまな裏側があった。
(Full-Count編集部)