NYの札束合戦…最大1200億円超えに「唖然とした」 米記者も予想外だった“大谷超え契約”

メッツとの契約合意が報じられたフアン・ソト【写真:Getty Images】
メッツとの契約合意が報じられたフアン・ソト【写真:Getty Images】

メッツと15年1147億円で契約合意が報じられたソト

「765ミリオン!」。ウインターミーティングを前日に控えた8日(日本時間9日)、米テキサス州ダラスの会場となったホテルのプレスルームで米記者の一人が声をあげた。フアン・ソト外野手がメッツと契約合意報道。大谷翔平投手を超える15年765億ドル(約1147億円)という数字にざわめきが起こった。

 米全国紙「USAトゥデイ」のボブ・ナイチンゲール記者も契約の一報が出てすぐに、ホテル内のレストランを飛び出し、パソコンの画面の前に戻ってきた。スコット・ボラス代理人らに契約内容を確認。後払いなし、5年後のオプトアウト(契約破棄権)、2030年からの年俸を400万ドル(約6億円)上乗せすることでオプトアウトを取り消しできる権利……。詳細を自身のX(旧ツイッター)に綴った。

 昨年12月、大谷は10年7億ドル(約1050億円)でドジャース入り。同記者はソトとボラス代理人がこの記録の更新を目指していたのは「間違いない」と断言する。「ショウヘイが6億ドル(約899億円)で契約していたのであれば、7億ドル(超え)ではなく、6億ドル超えを目指していたでしょう。(大谷の契約が)大きく影響したと思います」と話す。

 一方で、実際の契約を知った際には「唖然としました」と驚きを隠せないでいた。同記者は「彼は(大谷ほど)チケット売上に貢献しませんし、国際市場を引き付ける存在でもありません」と分析している。争奪戦に敗れたヤンキースは16年7億6000万ドル(約1139億円)を提示。サブウェイシリーズの札束合戦にブルージェイズやドジャース、レッドソックスら他の金満球団も参戦。「金額高騰の理由はわかりません」と同記者も思わず苦笑いする。

 2029年オフにソトがオプトアウトを行使し、球団が拒否すると、最終的に契約は8億500万ドル(約1207億円)になる可能性がある。「ソトはエンドースメント契約で4~500万ドル(約6億~7億5000万円)ですら稼ぐことは難しいでしょう。この契約がどれくらいメッツ(の勝敗)に貢献するか見守りましょう」。通算打率.285、201本塁打、OPS.953と打撃能力は誰もが認めるところ。ただ、大型契約には1986年以来のワールドシリーズ制覇に導く使命がある。

(川村虎大 / Kodai Kawamura)

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