日本に来ると「温かい気持ちになる」 MLB戦士が触れる“和”の心…衰えぬ人気のワケ

「adidas Baseball presents ラーズ・ヌートバー来店イベント」に登場したカージナルスのラーズ・ヌートバー【写真:宮脇広久】
「adidas Baseball presents ラーズ・ヌートバー来店イベント」に登場したカージナルスのラーズ・ヌートバー【写真:宮脇広久】

ヌートバーが都内で開かれたイベントに参加…少年野球チームの選手と交流

 人気は健在だ。来日中のラーズ・ヌートバー外野手(カージナルス)は10日、都内で開催された「adidas Baseball presents ラーズ・ヌートバー来店イベント」に参加した。母・久美子さんの出身地である埼玉県東松山市の軟式少年野球チーム「松山西ジャイアンツ」のメンバーと交流し、詰めかけた大勢のファンから歓声を浴びた。

 米国人の父と日本人の母の間に生まれたヌートバーは、昨年3月の第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で日本代表「侍ジャパン」に選出され、1番打者として走攻守に活躍。3大会ぶり3度目の優勝に貢献した。

 出塁した際にコショウを挽く仕草を見せる「ペッパーミル・パフォーマンス」は、チームメートに浸透し、ファンの間でも流行。同年のユーキャン新語流行語大賞でトップテン入りするに至った。ヌートバー自身、眼鏡ブランド「Zoff」と森永製菓「inバー」のCMに起用されるほどのフィーバーを巻き起こした。「僕の知名度は(米国より)日本の方が高い。来るたびに素敵な国だと思うし、温かい気持ちになる」と満面に笑みを浮かべるのも、もっともだ。

 2026年3月の次回WBC出場も熱望しているが、その前に来年のシーズンを戦うことが先決。前回WBCでチームメートだった佐々木朗希投手が今オフにポスティングシステムでMLB入りする見込みで、「個人的に佐々木がメジャーで投げる姿を見るのが楽しみ。2025年に途轍もない成績を残すと思う。できれば同じチームでやりたい。対戦はしたくないよ」と苦笑した。

 今季、史上初の「50本塁打&50盗塁(50-50)」を達成した大谷翔平投手(ドジャース)については、「もちろん素晴らしい成績だけれど、大谷であれば、びっくりはしない。“40-40”の段階でカージナルスのチームメートたちは騒いでいたけれど、僕は『彼は50-50を狙っていると思うよ』と言っていたからね」と胸を張って見せた。

来年への意気込みを漢字1文字で表すなら「力」

 今回の来日中、WBC戦士だったソフトバンク・山川穂高内野手、オリックス・宮城大弥投手らと再会を果たしたそうで、「前田(健太=タイガース)投手や今永(昇太=カブス)投手とはアメリカでも顔を合わせることができるけれど、日本でしか会えない選手と話せたのは楽しかったよ」とうなずいた。

 生真面目で誠実な人柄が滲み出るところが、人気の理由の1つだろう。この日、松山西ジャイアンツの野球少年に対するワンポイントアドバイスのコーナーで、「僕はヌートバー選手と同じ左打ちの1番打者です。どうしたら外角球をうまく打てますか?」と聞かれると、「ボールの内側を打つつもりで、バットが遠回りをしないように、ショートの頭を越える打球を心掛けるといいと思うよ」と丁寧に回答していた。

「塁上でのリードのしかたを教えてください」と問われ、「例えば一塁走者の時には、昔は前方のベースライン(一塁ベースの四辺のうちホームベース側)に沿ってリードしろと教えられていた。投手からリードが小さく見えるからだ。しかし最近は逆に、後ろのベースライン(右翼側)に沿ってリードしろと言われる。一塁手のタッチを避けながらベースタッチできるからだ」と説明した。

 主催者から「来年への意気込みを漢字1文字で表してほしい」と要望されると、「力(ちから)」と書き込み、「精神面でも肉体面でも、いろいろな場面で“力”が必要になるから」と語った。前回WBCの激戦の中で生まれた“侍”スピリットは、今もしっかり息づいている。

【実際の様子】来日イベントに登壇したヌートバー 漢字一文字で表した来年の意気込み

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