戦力外通告から1年「絶体絶命」 キャリア終了の危機感…崖っぷち”自認”の中日29歳
井上監督はドラフト会議でガッツポーズ…4球団競合を制し「脱臼しそうだった」
立浪和義前監督から、井上一樹監督となり2025年を迎える。10月24日に行われたドラフト会議では、4球団競合の末に関大・金丸夢斗投手を引き当て「脱臼しそうだった」というほど、力強いガッツポーズを見せた。指揮官が変われば、チームの雰囲気も大きく変化する。上林も「高校の時はキャプテンをやっていましたし、先頭に立って声を出したりするのは苦手とかではない。ちょっとずつ変わって行けたらいいんじゃないですか」と、来季は熱い姿も見られそうだ。
2022年5月に、右アキレス腱を断裂した。選手生命にも大きな影響を与えた大怪我で、現在の状態を「たまに疼くし、もちろん完全体ではないですけど。年々回復はしていますし、スピードとかは戻ってきているので、自分の感覚ではちょっとずつ戻ってきていると思います」と分析する。打って走って守れる選手像をずっと目指してきた。新しい指揮官のもと、輝きを取り戻してみせたい。
来年8月には30歳を迎える。プロ12年目のキャリアに目を向け、危機感と決意を口にした。「本当に最後。来年できなかったらそのまま終わりだと思っています。今年、移籍してチーム自体には慣れたので。1年目で遠慮していた部分もあったし、みんなとも仲良くなって、チームがどういう感じなのかも掴めたので。今はもう、絶体絶命というか。背水の陣、そんな立場です」。栄光も知り、崖っぷちからも立ち上がってきた。もう1度、ファンを心から喜ばせてみせる。
(竹村岳 / Gaku Takemura)