田嶋大樹、来季は「白紙の状態」 初めて立つ境地…大切にする“自然体”「今は何もわかんない」
オリックス・田嶋大樹、来季の投球スタイルは「わからないのでいろんな人に聞いている」
真っ白のキャンパスに未来を描く。オリックス・田嶋大樹投手が「白紙の状態」でプロ8年目のシーズンに臨むビジョンを模索している。「まっさらな白紙の状態です。もう1段進むのに、何をすればいいのだろうというところにいて、考え中です」。シーズンオフに入った直後、静かに口を開いた。
田嶋は佐野日大高(栃木)、JR東日本から2017年ドラフト1位でオリックスに入団。プロ3年目から3年連続20試合以上に登板。規定投球回をクリアしてきた。昨季は故障や新型コロナに感染するなど13試合にとどまったが、今季は21試合に登板し、6勝8敗と先発ローテーションを守ってきた。
「課題は有り余るほどあると思っています。今後、どこをどう成長させていけばいいのかわからないので、どういうトレーニングをして、どういう考え方で、どういう投球スタイル、どういう投球フォームでいけばいいのか、わからないのでいろんな人に聞いている段階です」と明かす。
本格的に野球を始めてからは、初めての境地に立っているという。「今は何もわかんない、お手上げの状態です」と驚かせるが「わかってはいるんですよ、頭では。こうなれば成長ができるのですが、そのプロセスがわからないんです。何をしたらそうなれるんだろう、というところにいます」という。全くの手探りの状態ではない。
球団施設のある大阪・舞洲で行われた秋季練習でも、キャッチボールの途中に隣で投げていた宮城大弥投手にアドバイスを求める場面があった。「人に聞いて、自分に合いそう、これなら楽しそうと思えるのをやっていきます。これができれば成長することができるし、わからなければそのまま終わるだけですから、2択ですね。来年は29歳。脂がのってくる年齢と言われますから、どっちかですね」。
いつも自然体で生きる。「僕は自由にやるんで、こうしなきゃとか、型にはまった考えは嫌いなんです。不安はありません」。12月に入り「どんな取り組みをすればいいのか、材料は揃ってきました」と明るい表情で語った。白いキャンパスからはみ出るほどの未来を描くだけだ。
○北野正樹(きたの・まさき)大阪府生まれ。読売新聞大阪本社を経て、2020年12月からフリーランス。プロ野球・南海、阪急、巨人、阪神のほか、アマチュア野球やバレーボールなどを担当。1989年シーズンから発足したオリックスの担当記者1期生。関西運動記者クラブ会友。2023年12月からFull-Count編集部の「オリックス取材班」へ。
(北野正樹 / Masaki Kitano)