現れない“大谷級”…日本特有の事情が足枷 MLB球団で高まる需要も避けられぬリスク
少なくともメジャー25球団が日本に常勤スカウトを派遣しているという
野茂英雄、イチロー、ダルビッシュ有、大谷翔平……。これまでに多くの日本選手がメジャーリーグで活躍し、日本球界の評価も高まっている。現在では少なくともメジャー25球団が、日本に常勤のスカウトを派遣しているという。とはいえ、デメリットも少なくないという。米スポーツ専門メディア「ジ・アスレチック」が伝えている。
多くの球団が日本にスカウトを派遣するようになったが、力の入れ具合は球団によってさまざまだ。費用も高額で負担が大きい。スカウトはしばしば何週間も日本に滞在し、各球場へ新幹線で移動しながら、球場の狭い座席に座って、コンタクト重視の野球を見る。
とはいえ、「以前に比べて彼らの存在は重要なものとなっている」と指摘。特にMLB幹部やスカウトが、日本での試合に足を運んで直接視察することが、「大スター選手を引き寄せるための長いリクルーティング過程の一部となっている」と伝える。レッドソックスでスカウト育成・統合部門のバイスプレジデントを務めるガス・クアトルバウム氏は「誰が(視察に)来ているかに注目している」「どの球団が来ているかをメディアに伝えるんだ」と語っている。
こうした球団が得る成果は大きな成功か失敗かのどちらかであり、2、3年ごとに1人か2人の影響力ある選手を獲得するために高いコストをかけて戦う。「イチローやオオタニのように大成功すれば、どれだけ費用をかけても正当化される、彼らには莫大な価値があるからね」とア・リーグの幹部は語った。そして「ほとんどの場合、それは起こらないだろう」とも述べたという。リスクと背中合わせのスカウティングと言えそうだ。
(Full-Count編集部)