“鉄人”紅林弘太郎、足の痛みは「2年前から」 検査で判明して人生初入院…発見した新境地
オリックス・紅林弘太郎「バッティングが1番痛いくらいでした」
不安を解消し、最高の1年にしてみせる。オリックス・紅林弘太郎内野手が2年前から痛めていた右足を手術し、プロ6年目のシーズンに万全の状態で臨む。「痛い時は、全部の動きで何をしても痛い感じでした。痛み止めの薬を飲んでやっていたので、僕もよくやっていたと思います。これからは不安なくプレーができます」。話の途中まで顔をしかめていた紅林の表情が、一気にほころんだ。
紅林は6日に神戸市内の病院で右足の楔状骨骨片摘出手術を受けた。右足甲の骨を骨折していたもので「(折れた骨を)クリーニングするようなものです」と説明し、9日に退院。10日に大阪・舞洲の球団施設に姿を見せた。
プロ5年目の今季は、遊撃手として自己最多タイの136試合に出場し、打率.247、2本塁打、38打点をマークした。ただ、足の痛みは約2年前からあったという。「ポジション的に負担が大きかったですが、バッティングが1番痛いくらいでした。(患部に)1番当たるところでしたから」と話す。
4日の契約更改後には、打撃不振の原因として「途中から調子が悪くなっても立て直せませんでした。率を求めていく中で、当てるだけのスイングになったり逆方向を意識して弱いスイングになってしまったりしたところがありました」と反省を口にしたが、足の甲の痛みはスイングにも影響を与えていたようだ。
人生で初めての入院生活。「病院の食事はおいしかったのですが、量が……」と振り返り、退院直後の焼肉で体重は増量。球団施設に2本の松葉杖で体を支えて現れ、つまずいて転倒しそうになる場面もあり、居合わせた関係者を驚かせた。
「心配してもらえるように、わざと(松葉杖を)使いました。宮城(大弥投手)に『仮病』だと言われそうだったので。でも、全然心配してくれませんでした……」と笑わせたのは紅林らしいが、足の不安が解消し来季の目標は定まった。
「ショートを守っていて他の選手と差を付けられるところと言ったら、やっぱり長打力だと思うんで、僕の良さを出していきたいと思います」。全力で臨める6年目。全試合出場と、毎年目標に掲げる「20本塁打」に向けて邁進する。
○北野正樹(きたの・まさき)大阪府生まれ。読売新聞大阪本社を経て、2020年12月からフリーランス。プロ野球・南海、阪急、巨人、阪神のほか、アマチュア野球やバレーボールなどを担当。1989年シーズンから発足したオリックスの担当記者1期生。関西運動記者クラブ会友。2023年12月からFull-Count編集部の「オリックス取材班」へ。
(北野正樹 / Masaki Kitano)