ハム戦力外は「毎日覚悟しながら」 現役引退の31歳が吐露…驚いた新庄監督のDM
阪神、日本ハムでプレーした江越大賀氏は10年間の現役生活に別れ
阪神、日本ハムで計10年間プレーした江越大賀氏は、今季限りで現役を引退した。今季は自己最少の19試合に終わり、31歳で受けた戦力外通告。「今年はファームにいる期間も長かったのでそろそろかなというのは感じていました」と心境を吐露した。
今季は開幕1軍入りを果たすも4月8日に抹消。次の出番は9月3日だった。1軍では10打席に立つも無安打。取り巻く環境は自らが一番理解していた。「プロ野球は1年1年が勝負なので常に覚悟は持ち続けていたんですけど、今年は特に。ファイターズはファームに若い選手が多くて強く意識していたので、戦力外と言われても後悔しないように、悔いが残らないように1日1日大切に過ごせたので、そこは毎日覚悟しながらやっていました」と手を抜くことなく、お手本で有り続けた。
戦力外通告後には現役続行の道を模索しオファーを待ったが、自身が決めた期限までに声はかからず「もう区切りをつけようと。そこはスッパリ」とユニホームを脱いだ。
2014年ドラフト3位で阪神に入団。2022年オフに2対2の交換トレードで日本ハムに移籍した。突然のことに驚きを隠せない中、移籍先となる日本ハムの新庄剛志監督からインスタグラムのダイレクトメッセージ(DM)が届いた。
「『1回野球観をゼロにして一緒につくり上げていこう。僕が変えて見せる』って書いてあったんです。それを言われたときは鳥肌が立って、絶対に恩返ししよう、やってやろうという気持ちになりました。トレードはビックリしましたけど、本当にいい経験をさせてもらいました」。再スタートを切った江越は2023年、キャリアハイの100試合出場を遂げた。
思い出は「出場4試合連続本塁打と交流戦のタイガース戦での本塁打」
新庄監督のもとで過ごした2年間で新たな発見もあった。「勝手に大胆な監督なのかと思っていたんですけどすごく繊細というか細かくて、小さいことまで先のことを考えてやっていると近くいいて感じたので、そこは常に成長じゃないですけど大事なんだなと思いました」とうなずいた。
10年間で一番の思い出は「阪神2年目のときに出場4試合連続本塁打を打ったことか、ファイターズに行って交流戦のタイガース戦で本塁打を打ったことですかね。それは自分が唯一輝いたときかな」と笑った。
この日は現役引退を決断した選手のセレモニーを兼ねた「THE LAST GAME 2024」に出場し、最後の勇姿を見せた。今後は阪神に戻り、アカデミーコーチに就任する。「矢野監督と新庄監督、2人の監督が楽しんでやることをすごくおっしゃっていた。それは子どもたちにも伝えていくべきことかな。そのためにもまずは自分が楽しみながら伝えていけたらと思います」。晴れやかに、第二の野球人生を歩みだす。
(町田利衣 / Rie Machida)