97→35に変更…古田島成龍が変えたくない“流れ” 感じる期待「どんどん声援が大きく」

オリックス・古田島成龍【写真:栗木一考】
オリックス・古田島成龍【写真:栗木一考】

オリックス・古田島成龍が変えたくない“流れ”

 良い流れは変えない。新人投手として日本タイ記録となる開幕から22試合連続無失点を記録したオリックス・古田島成龍投手が、来季も登場曲を変えずに臨む。「登場曲が場内に流れるのを待っていらっしゃるのは、自分でも感じますね。どんどん声援が大きくなってきていますから、変えるに変えられないですね(笑)」。古田島がファンの気持ちを代弁した。

 古田島は取手松陽高、中央学院大、日本通運から2023年ドラフト6位でオリックスに入団。今季は中継ぎとして50試合に登板し、2勝1敗24ホールド、防御率0.79の好成績でブルペンを支えた。活躍が認められ、今季で現役引退した比嘉幹貴投手の背番号「35」を引き継ぐことになった。

 ピンチで打者を打ち取った後のド派手なガッツポーズなどのパフォーマンスは「古田島優勝」とファンから呼ばれ、球団からグッズが販売されるまでに。また「人生楽ありゃ、苦もあるさ」で始まるテレビ時代劇「水戸黄門」の主題歌「あゝ人生に涙あり」を登場曲にしていることも、ファンの大きな支持を得ている。

 厳しい勝負の世界に生きるだけに「流れ」を大切にしている。球団から「97」の背番号を「35」に変える打診を受けた際も、即答を避けた。担当スカウトや高校時代の監督らお世話になった人たちに相談した。「いい流れできているところで変えるというのは、ちょっとどうなのかなと思いました。正直言って、比嘉さんの番号でなければ変えなかったです。同じ社会人出身で長く現役を続けられた方だけに、そう言っていただけるのは光栄でした」と明かす。

 登場曲についても同じ考えだが、1度だけ変えたことがある。「素意や(ソイヤ) 素意や(ソイヤ)~」で始まるリズム感あふれる、一世風靡セピアの「前略、道の上より」を採用してみた。しかし、すぐに「水戸黄門」に戻した。「前半戦が終わったので、後半戦はという意味で変えたんですが、全然、自分の気持ちが上がらなかったんでやめました」という。

 国内FA権で広島から移籍し「同期入団」と呼んでくれる西川龍馬外野手からは「おもしろくない」と指摘されているが、もう変える気はない。2年目も「流れ」は変えずマウンドで躍動する。

○北野正樹(きたの・まさき)大阪府生まれ。読売新聞大阪本社を経て、2020年12月からフリーランス。プロ野球・南海、阪急、巨人、阪神のほか、アマチュア野球やバレーボールなどを担当。1989年シーズンから発足したオリックスの担当記者1期生。関西運動記者クラブ会友。2023年12月からFull-Count編集部の「オリックス取材班」へ。

(北野正樹 / Masaki Kitano)

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