100%のイチローは“別次元” 数字が示す米殿堂入りの壁…唯一無二でも絶望的な14.1%
ダスティン・ペドロイア氏は米殿堂資格1年目で、得票率は14.1%
21日(日本時間22日)の米野球殿堂入り発表まで、あと5日となった。資格初年度のイチロー氏の選出は確実視され、野手初の満票選出なるか注目が集まっている。一方でレッドソックスのレジェンドであるダスティン・ペドロイア氏も1年目だが、今回は“苦戦”を強いられている。
MLB公式サイトなども活用するトラッキングサイト「Baseball Hall of Fame Vote Tracker」によると、16日(同17日)時点の開票率は41.6%で、イチロー氏の得票率は100%をキープしている。一方、ペドロイア氏は14.1%。殿堂入りの基準は75%以上のため、ペドロイア氏の選出は今年は絶望的だ。
米全国紙「USAトゥデイ」は「レッドソックスのレジェンドであるダスティン・ペドロイアはすべてを手に入れた――しかし殿堂入りは見込み薄」の見出しで記事を掲載した。41歳のペドロイア氏はレッドソックス一筋で通算1512試合に出場、打率.299、1805安打、140本塁打をマークした。
2007年に新人王、2008年にMVP、ゴールドグラブ賞に4度輝いた。記事は「フルシーズン2年目(2008年)までに新人王、MVP、ゴールドグラブに選出され、ワールドシリーズも1度制覇した唯一の選手」「これをすべて達成した選手は9人しかいない」と功績を称える。さらに「新人王とMVPを2年連続で受賞し、カル・リプケンJr.、ライアン・ハワード、クリス・ブライアントの仲間入りをした」とし、米野球データサイト「ベースボール・リファレンス」によるWARに言及。フルシーズン1年目の2007年から2017年までのWARは53.3で、この間の二塁手ではロビンソン・カノの60.5に次いで2位だったという
ワールドシリーズを2度制覇したが、怪我の影響で早期引退を余儀なくされた。通算打席数は6777で、「投票者が文句なしで選ぶ数には達していない。1805安打、140本塁打は多くの殿堂入り選手が残している数字に届いていない」とも指摘。「ペドロイアの今年の殿堂入りは難しいが、今後何年も殿堂入り候補として投票用紙に残るべき。怪我でキャリアが短くなったが、14年間にわたる経歴はしっかりと検討されるべきだ」と記事は結んでいる。
野球殿堂入りはメジャーで10年以上プレーした選手が引退から5年で資格を得る。全米野球記者協会に10年以上連続で所属する記者による投票で決定。有資格者から最大10人まで投票でき、全投票数の75%以上を集めると殿堂入りとなる。今年の候補者は28人で、「Baseball Hall of Fame Vote Tracker」によると、16日(同17日)時点で75%以上をクリアしているのはイチロー氏以外にCC・サバシア氏(93.3%)、ビリー・ワグナー氏(84.7%)、カルロス・ベルトラン氏(80.4%)の4人。楽天でも活躍したアンドリュー・ジョーンズ氏は73.0%となっている。
(Full-Count編集部)