「契約はないとハッキリ」 直接戦力外通告から7年…イチロー氏が求めるジーター氏との再会

デレク・ジーター(左)とイチロー氏【写真:Getty Images】
デレク・ジーター(左)とイチロー氏【写真:Getty Images】

イチロー氏も同じく1票で満票を逃し殿堂入り

 奇しくも同じ“1票”逃し。「すごくよかったと思います……しかも、ジーターと一緒」。イチロー氏マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)が少し微笑んだようにも見えた。21日(日本時間22日)、99.7%の票を集め、アジア選手初の米野球殿堂入りを果たした本拠地での会見。米野球殿堂のあるクーパーズタウンで会いたいと名前を挙げた一人が、デレク・ジーター氏だった。

 イチロー氏は2012年夏、トレードでヤンキースへ移籍。その時、ジーター氏と初めてチームメートとなった。「ヤンキースが特別だったのは、ジーターがいたヤンキースであったからだと思うんですよね。それぞれがプロフェッショナルだったこと。プロフェッショナルとしての意識はこういう集団なんだと教えてもらった」と振り返った。

 ただ、最後に会ったのは2017年のシーズンオフに遡る。イチロー氏は当時マーリンズ3年目となったタイミングで、ジーター氏が球団の共同オーナーとなった。そしてオフ、再建に舵を切ったジーター氏はマイケル・ヒルGMとともにイチロー氏を球場に呼び出し、戦力外を通告した。

「球場を訪ねたんですけど、来年の契約はないとはっきり告げられた。それで次に進めることができた。そこから会う機会がなかったんですよ。会う機会がなければ、電話で話すこともないですから。どこかで再会したいというのがずっとあった」

 この日、ジーター氏もヤンキースを通じ「彼と一緒にプレーし、個人的に知り合えたことは喜びだった」と祝福のメッセージを送った。ともに野手史上最高の99.7%で殿堂入り。クーパーズタウンで再会できるのは、2人にとって願ってもない瞬間だった。

(川村虎大 / Kodai Kawamura)

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