大谷翔平をなぜ出さず…決断が招いたエ軍の“代償” 球界ワーストに番記者が嘆き

エンゼルス在籍時の大谷翔平【写真:ロイター】
エンゼルス在籍時の大谷翔平【写真:ロイター】

エンゼルスは「BA」ファーム組織ランキングで30位

 米野球専門誌「ベースボール・アメリカ(BA)」は5日(日本時間6日)、メジャー30球団のファーム組織ランキングを発表。昨季ア・リーグ西地区5位に終わったエンゼルスは、30球団中ワーストの30位に選出された。同メディアは2年前の“判断”がチームに大きく影響を及ぼしていると指摘している。

「ベースボール・アメリカ」はエンゼルス最下位の理由について「ザック・ネトやノーラン・シャニュエルのような選手を、他の球団ならもっと遅く昇格させるところを、早い段階でメジャーに呼び上げていることが挙げられる」と、有望株の早期昇格により早い段階でプロスペクトの枠を外れることを指摘する。ネトはドラフトから約9か月後の4月、シャヌエルはドラフトイヤーにメジャー昇格した。

 そして、「2023年にファームシステムを立て直すために、ショウヘイ・オオタニをトレードしなかった判断は、今でも痛手となっている」と振り返る。大谷翔平投手は2023年オフにFAとなり、チームが低迷した2022年の段階からトレードの噂は絶えなかった。球界最高のスター選手を手放せば、その見返りは莫大なものに。実際、ヤンキースやレイズはトッププロペクトを含んだトレードの打診をしていたという。

 しかし2023年のエンゼルスはシーズン途中まで好調とあり、偉才を手放さず勝負に出た。結果は地区4位、勝率.451でフィニッシュ。大谷はFAとなり、ドジャースへ移籍した。エンゼルスが手にしたのは、ドラフト指名の補償という結果になった。

 今回の「ベースボール・アメリカ」の発表を受け、米スポーツメディア「ジ・アステチック」のサム・ブラム記者は「経験のある専門家は、一貫してエンゼルスを(ファーム組織が)最下位付近に評価し続けている」と嘆き。「エンゼルスにはハイレベルなプロスペクトが何人かいるが、トレードで若い才能を獲得することを優先してきたわけではない。組織は(私にはFA選手などの)上位層に偏っているように見える。さらに、メジャーの選手層の薄さが原因で、強制的に若手選手が早く昇格させられ、マイナーで苦戦する状況が生まれている」と、最上位階級のMLBの苦戦がエンゼルスの球団組織全体に影響しているとした。

(Full-Count編集部)

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