ONに江川、松井…壁画にレジェンド勢ぞろい 東京D“完コピ”巨人2軍新球場の秘密

巨人2軍の新球場「ジャイアンツタウンスタジアム」【写真:尾辻剛】
巨人2軍の新球場「ジャイアンツタウンスタジアム」【写真:尾辻剛】

3月1日開業「ジャイアンツタウンスタジアム」

 巨人2軍の新球場「ジャイアンツタウンスタジアム」(東京都稲城市)が3月1日に開業することに先立ち、26日に内覧会が行われた。2027年には国内初「水族館一体型球場」となるスケールの大きな施設。一塁側ダッグアウト裏には長嶋茂雄氏、王貞治氏らレジェンドの壁画が並んでいる。

 長嶋氏、王氏以外にも堀内恒夫氏、江川卓氏、原辰徳氏、松井秀喜氏ら錚々たるメンバーを続々と見られる壁画は壮観だ。レジェンドルームには長嶋氏、王氏らの記念品も展示されており、スタジアムツアーなどでファンにも公開を予定している。

 巨人の山本広海球団総務本部長は「選手も通るし、ジャイアンツは数々の栄光、伝統があるんだということを日ごろから見て、感じて、成長してほしい」と設置した意味を説明。一塁側の2階コンコースには背番号が変わる前の若手時代の坂本勇人内野手らの壁画もあり「ファンはたまらないと思います」とも話した。

 テーマは「多摩川グラウンド再現」。1955~1998年に専用球場だった多摩川グラウンドは、レジェンドたちが猛練習に明け暮れた場所であり、ファンとの距離も近かった。収容人数2872人の新球場は1階には一、三塁側ともエキサイトシートが設けられ、スタンド席は2階も3階も4列以内と少なく設定。ファンは間近で選手を見ることができる。

グラウンドは東京ドームと同サイズ…違いは汁物の提供

 試合を見ながら場内を1周できるつくりとなっており、室内のブルペンと打撃練習場は2階コンコースから窓越しで観覧が可能。一塁側入り口から30メートルほどの位置にサブグラウンドがあり、移動する選手が目の前を通るケースも出てくる。山本本部長は「客席からグラウンドまで近いのが最大の魅力。選手との距離が近いので、声をかけていただけると成長できる」と期待を寄せた。

 人工芝のグラウンドは東京ドームと同サイズとなっている。両翼100メートル、中堅122メートル、左中間と右中間は110メートルでフェンスの高さ4メートル24センチも同じだ。山本本部長はその意図を「ここで鍛えて東京ドームに行ったとき、何の変化もなく自然にプレーできる」と説明した。

 一方でスタンドには東京ドームと大きな違いがある。2階コンコースには飲食店があり、球場限定のグルメが盛りだくさん。何よりラーメンを提供するコーナーがある。新球場の2階席の前には金網のネットが張られており、3階席部分が屋根となっていることで打球が飛んでくる心配がない。ファウルをよけようとして傾けてこぼす可能性がある東京ドームではNGの汁物も、新球場では用意できるのだ。

 巨人の新球場開場は40年ぶり。高校野球の地方大会、東都大学野球や首都大学野球の公式戦、女子野球の試合に加えて小中学生の大会も開催予定。試合のない日にはスタジアムを一部開放し、マルチスポーツ教室も企画している。地域に根ざしたスポーツ振興の場を目指す球場の左翼後方には水族館を建設中で、球場に隣接する飲食施設とともに2027年開業予定。ボールパーク化が着々と進んでいる。

【実際の様子】王、長嶋に江川や松井… 巨人新施設の壁画に並ぶレジェンドたち

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY