「メジャーは振ってくれるけど」 “大谷封じ”も…専門家が指摘する才木浩人の課題

ドジャース戦に先発した阪神・才木浩人【写真:ロイター】
ドジャース戦に先発した阪神・才木浩人【写真:ロイター】

阪神・才木、ドジャース相手に5回1安打7奪三振無失点

 藤川球児新監督の下でV奪回を目指す阪神は16日、前日のカブスに続いてドジャースも完封で下した。現役時代にヤクルト、阪神など4球団で捕手として活躍した野球評論家・野口寿浩氏は、先発の才木浩人投手を絶賛。すぐにでもシーズンを迎えられる状態だと太鼓判を押した。

 150キロを超える直球で押し込み、自信を持って磨いてきたフォークで空振りを奪う。昨年世界一となった強力ドジャース打線を相手に5回1安打無失点。7三振を奪って圧倒した投球を「投げてる球自体はシーズン中とほぼ同じ。もう出来上がっている感じ。ストレートが走るから変化球が生きている」と評価した。

 打者16人中、12人に初球ストライク。83球中、ボール球は25球でストライク率70%という数字が真っ向勝負を挑んだことを物語る。4回までの打者13人はすべて2ストライクまで持っていくなど、常に投手有利のカウントで勝負して結果につなげた。

「厳しいコースに投げて打たせてとるタイプじゃない。ある程度の(ストライク)ゾーンに投げて球の勢い、切れで勝負するタイプ。自分の持ち味が出せていたんじゃないか」。9年目26歳右腕をそう評した野口氏は、初回に大谷翔平投手を空振り三振に仕留めたフォークについては「ベストでしょう。落差、腕の振りとも完璧だった。それで振らせたと言える」と解説した。

“因縁”の対決でのリベンジ。2023年3月6日、WBC前の強化試合では、侍ジャパンの一員だった大谷にフォークを捉えられ、左膝をつきながらのバックスクリーン弾を浴びていた。この日は第2打席では直球勝負。フルカウントから内角高めで中飛に打ち取ったシーンに「ああいうスタイルの投手は、どれぐらい真っすぐが通用するのかやりたいのは間違いないからね」と理解を示した。

 そんな中で、あえて挙げた課題がある。「フォークの精度が、もう一段階上がればというところです。メジャーでは本塁手前のワンバウンドするフォークは振ってくれるけど、日本の打者は振らない。(本塁通過して)ベースの後ろでワンバウンドするように調整しないと」。メジャーの“顔”となった大谷を封じたフォークの微調整を求めた。

 それでも「もうシーズンが始まっても大丈夫なぐらい」と状態は上々であると強調。「自信になったのは間違いないでしょう」というインパクト十分の快投が、弾みとなるのは間違いない。

(尾辻剛 / Go Otsuji)

RECOMMEND

CATEGORY