「読めない」と反響、珍名右腕が並べたゼロ 末恐ろし2年生「知名度を上げていきたい」

敦賀気比・五十子(いがっこ)、2戦15回1/3無失点も敗退
第97回選抜高校野球大会は23日、大会第6日が行われ、第3試合は敦賀気比(福井)が健大高崎(群馬)と対戦。初回に4失点しながら1点差まで追い上げる粘りを見せたが2回戦敗退となった。2番手で登板した五十子李壱投手は8回1/3無失点の好救援。7回無失点だった滋賀短大付との1回戦に続いて存在感を示した。
五十子と書いて「いがっこ」と読む。名字の由来や人口を調査するサイト「名字由来net」によると、「五十子」という名字は全国に約780人しかいない。全国順位は9488位となっており、読み方は「いがっこ」のほかに「いらご」「いそこ」「いかご」「いらこ」「いそご」「いがご」がある。
SNS上では「読めないよ」「珍しい名前」「初めて聞いた」「先生が大変やな」「かわいい」などと反響が大きく、全国的に見れば珍しい名字。ただ、出身の福井県鯖江市ではよく見かけたといい、クラスにも同姓がいたこともあり「自分では小・中学時代までは珍しいと思ったことがなかったです」という。
昨秋からベンチ入りし、福井大会、北信越大会で優勝に貢献。明治神宮大会は背番号1を勝ち取ったが、沖縄尚学との2回戦で右肘を痛めた。冬場は上半身を使えない分、スクワットなどで下半身を強化。2月に投球を再開すると背番号10でメンバー入りし、1回戦は先発して7回3安打9奪三振無失点と快投して15-0の大勝に導いた。
まだ2年生…今夏までに145キロ、来夏までに150キロが目標
この日はエースナンバーを背負う管田彪翔投手が先発も初回に4失点。なお2死二塁で出番が回ってきた。「思ったより早かったけど、いつでもいけるように準備していた」。冷静にピンチを脱すると「低め低めを意識して、持ち味のカットボールをうまく使えた。ストライク先行でテンポよく投げられました」と納得の投球を披露。2回以降も4安打しか許さず、スコアボードにゼロを並べた。
健大高崎の石垣元気投手が9回に救援登板し、150キロ超えの直球を連発したことには「やっぱり凄いですよね」と刺激を受けた様子。「自分は球速が遅いので、そこは夏までの課題です」。自身の最速は137キロで「次の夏は145キロを出したい。高3夏までに150キロを目指していきたい」と球速アップと背番号1の奪回を目標に掲げた。
2試合15回1/3無失点と確かな足跡を残し、全国に名前を売ったが、まだ2年生の右腕。甲子園出場のチャンスは残り3度あり「絶対に3回とも出たいです」と力強い。「えっ、珍しいんだという感じ」という名字についても「知名度を上げていきたい」と宣言した。その可能性は無限に広がっている。
(尾辻剛 / Go Otsuji)
