オリ投手陣の“必須アイテム”はサンリオのトートバッグ 助っ人マチャドが購入…生む結束

オリックスのアンドレス・マチャド【写真:小林靖】
オリックスのアンドレス・マチャド【写真:小林靖】

マチャドが購入…オリ投手陣が使用する「マイメロディリュック」

 オリックス投手陣の必須アイテム、サンリオキャラクターの「マイメロディリュック」が、今季からピンクのトートバッグに新調された。送り主は、加入1年目の昨季に守護神を務めたアンドレス・マチャド投手。「若い投手が持って恥ずかしくなるもの」というウケ狙いが目的で、メジャーの“新人通過儀礼”を取り入れたアイテムが投手陣の結束を生んでいる。

 「マチャドさんが買ってくれたんです」。京セラドームでのオープン戦で、練習のためグラウンドに現れた高卒2年目の東松快征投手が、うれしそうに肩に担いだトートバッグをみせてくれた。

 オリックス投手陣の共用バッグは、2年目に1軍定着した宮城大弥投手が、マイメロディのキャラクターが付いた黒いバッグを胸に抱えるように持つ姿が可愛いとファンの間で評判になり広まった。1軍の最も若い投手が外野の練習場所などに持っていく、日本ハムが数年前に取り入れた投手陣の飲料などを入れた「キャンディバッグ」を真似て“導入”。オリックスでもパインアメやガムなどが黒いバッグに詰められ、練習中の投手を和ませていた。

 新たなバッグは、「フェイス形トートバッグ」(3993円)。新しいバッグに替えることになった際、マチャドが購入を申し出たという。実際に買いに行ったのは、球団の澤村直樹通訳。「マチャドから『若い選手が持って行くものだから、ちょっと恥ずかしくなるようなものを買ってきて』と頼まれました。使いづらかったら買い換えようかとも話していたんですが、結構、入るんでこれでいこうとなったようです」

 メジャーで通算137試合に登板したマチャドには、メジャーでの慣習が頭にあったという。メジャーでは、先輩たちから私服を隠された新人が、女装や水着姿になって移動の航空機に乗るなどのしきたりがある。いじめではなく、メジャーに昇格した新人を仲間として迎え入れる通過儀礼。女児用のピンクのリュックを若手が背負っているチームもあるそうで、マチャドも参考にしたのかもしれない。

 澤村通訳が買ってきたバッグを見たマチャドは、大笑いしてOKを出し、山田修義投手は「娘が同じものをもっています」と笑顔をみせるなど、投手陣の評判は上々。後輩が1軍入りするまで持ち続けることになる東松に恥ずかしがる素ぶりはない。マチャドの思惑はちょっぴり外れた格好だが、昨季、53試合に登板し23セーブでブルペン陣を支えた右腕の遊び心は、投手陣の結束に大きな効果があったようだ。

○北野正樹(きたの・まさき)大阪府生まれ。読売新聞大阪本社を経て、2020年12月からフリーランス。プロ野球・南海、阪急、巨人、阪神のほか、アマチュア野球やバレーボールなどを担当。1989年シーズンから発足したオリックスの担当記者1期生。関西運動記者クラブ会友。2023年12月からFull-Count編集部の「オリックス取材班」へ。

(北野正樹 / Masaki Kitano)

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