2030年に本拠地移転へ ロッテと君津市が協定書、2軍の環境充実で「育成機能を強化」

ロッテファーム本拠地(仮称)のイメージ画像【写真:球団提供】
ロッテファーム本拠地(仮称)のイメージ画像【写真:球団提供】

地域とも連携強化へ

 ロッテは、3月25日に千葉県君津市をファームの本拠地移転先候補として決定。4月10日には「千葉ロッテマリーンズファーム本拠地(仮称)移転に関する基本協定書」締結式を行った。

 基本協定の締結は、選手育成機能の強化のほか、君津市とロッテが相互に連携・協力し、スポーツによる地域の活性化、市民の健康増進などを目的としている。

 新たな本拠地はJR君津駅から約1キロ、徒歩10分ほどの場所で面積14万8000平方メートル。観客席とナイター照明付きの野球場に、観客席のない野球場2面、屋内練習場、クラブハウス、選手寮、ブルペン、バッティングケージといった充実の設備が揃う予定だ。

 式に出席したロッテ球団の高坂俊介社長は「チームの強化、特に育成機能を強化したいという思いからスタートしました。現在のロッテ浦和球場を中心としたファーム施設は、試合ができるグラウンドが1つのみですが、移転先では観客席のない野球場も2面建設されます。メイン球場で試合を開催しつつ、試合に出場しない選手はサブグラウンドで練習が可能になります」と、より良い練習環境の整備を強調した。

 そして「円滑に整備を進めることや、ファームがもたらす経済的・社会的効果を最大化するにあたっては、自治体の方々との連携が欠かせません。君津市が考えていること、市民のみなさんが求めていること、このエリアのポテンシャルをより知ることで、チームやファンの方のみならず、地域にとってもよりよいものになるようしっかり取り組んでいきたい」と話した。

 同席した君津市の石井宏子市長は「市民からはすでに『君津の街が変わる』『子どもたちに夢が広がる』『選手に会える日が楽しみ」といった期待の声が上がっています。単なる球場誘致ではなく、市民とともに創り上げるまちづくりの大きな一歩であると実感しています。このプロジェクトは君津市にとどまらず、南千葉全域に波及効果をもたらしたい」と、千葉県の地域活性化に期待を寄せた。

 ロッテはさらなるチーム強化へ向け、選手育成の拠点となるファーム本拠地の公募を2024年3月末まで実施。31の自治体から応募があった。「地域との連携」「立地・敷地・施設」「永続的な運営スキーム」の3つの観点から、各自治体との協議や現地視察を重ねた末、全ての条件が合致し、プロジェクトの実現可能性も高い君津市が移転先候補になっていた。

 本拠地移転は早ければ2030年を予定しており、期間は開業から30年の見通し。チームの未来を担う若鴎たちは君津市で研鑽を積み、大きく羽ばたくことになる。

(「パ・リーグインサイト」高橋優奈)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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