「なんと言っても日本が好き」元巨人助っ人が忘れぬ“光景”…貫くファンへの感謝

独立リーグ入団のアダム・ウォーカー「日本ではたくさんの素晴らしい経験」
日本への愛は変わらない。巨人やソフトバンクでプレーしたアダム・ウォーカー外野手が30日、神奈川県藤沢市内で、プロ野球独立リーグ・ルートインBCリーグの神奈川フューチャードリームスへの入団会見に臨んだ。新チームへの期待とともに口にしたのは、大好きになった日本への思いだった。
196センチの高身長にグレーのスーツ。ドレッドヘアで登場した33歳の口から最初に飛び出した言葉は日本語だった。「こんにちは。アダム・ウォーカーです。みなさん初めまして。今年、フューチャードリームス、楽しみです。よろしくお願いします」。はにかみながら、一生懸命話す姿が印象的な始まりだった。
ウォーカーは2022年に巨人に入団。1年目から124試合に出場して打率.271、23本塁打、52打点と活躍。だが、2023年は57試合と出番が減少し、打率.263、6本塁打、20打点と成績を落とした。同年オフに高橋礼投手、泉圭輔投手との1対2の交換トレードでソフトバンクに移籍。昨年は20試合に出場し打率.169、1本塁打、3打点に終わり、オフに自由契約となっていた。
それでも、オフシーズンに日本人女性と結婚し、3月には自身のSNSに日本語で「今は仕事がないんです。日本が大好きです。今年も日本でプレーしたいです。BCリーグでプレーできますか」と投稿するなど、あくまで日本でのプレーを熱望していた。
日本での3年間が、またプレーしたいという思いを強くした。「なんと言っても日本が好き。巨人とソフトバンクで素晴らしい経験をしてきた。成し遂げられなかったことを、同じ日本で、大好きな日本で成し遂げたいという思いでこの球団に決めました」。
ウォーカーにとってNPBは学びの場でもあった。日本の高いレベルの中でいかに生き残るのか。「以前のチームメートである、岡本(和真)選手、丸(佳浩)選手、柳田(悠岐)選手、近藤(健介)選手のように高いレベルを維持することでゲームメイクすることができると感じました」。トッププレーヤーたちの姿は特に印象に残った。
さらにウォーカーには忘れられない光景がある。「日本ではたくさんの素晴らしい経験がありますが、その中でも印象に残っているのはファンの皆様の思いや応援です。1年目に東京ドームの観客席がファンでいっぱいになった光景、熱い応援が印象に残っています」。昨日のことのように、目を輝かせながら振り返った。
「叶うのであればチケットが完売した球場で、また見てもらいたい。最終的にはスカウトの方に認められて日本シリーズで戦うことが目標です」。熱狂的で、きらびやかな空間をただ懐かしんだわけではない。新たなチームと家族、ファンのために“第2の故郷”での活躍を誓う。
(木村竜也 / Tatsuya Kimura)
