大谷翔平を前に“禁断の作戦” ボークで進塁許しても…CY賞右腕の頭脳的投球術

先発したダイヤモンドバックスのコービン・バーンズ【写真:荒川祐史】
先発したダイヤモンドバックスのコービン・バーンズ【写真:荒川祐史】

3回2死一塁、打者・大谷で3球目の一塁牽制に失敗、二塁進塁を許した

■Dバックス 3ー0 ドジャース(日本時間11日・フェニックス)

 ダイヤモンドバックスのコービン・バーンズ投手は10日(日本時間11日)、本拠地・ドジャース戦で7回5安打無失点と好投し、今季2勝目を挙げた。前回登板から中9日を空けての登板。「肩の調子は全く文句なしだった。登板を何回か飛ばしたけど今日はしっかりコントロールできたし、錆びついた感じもなかった」と表情を緩めた。

 禁断の対策もあった。両軍無得点の3回2死一塁で、打者は大谷。一塁走者は足の速いキム・ヘソンだった。2023年から、マウンド上で1人の打者と対峙している間、投手が牽制できるのは2度まで。3度目は塁上にいる走者をアウトにしない限り、ボークになってしまうが、迷いなく一塁牽制をした。

「俊足のキムでオオタニ相手にカウント2ボールになってしまった。オオタニには打たれるわけにはいかなかったから、牽制でアウトにしようとしたんだ。結果的に(オオタニを)歩かせるつもりだったし、アウトに取れたらラッキーぐらいの感じで。アウトにできなければ、ムーキー(ベッツ)と勝負しようと思った」

 初回先頭では内角カットボールを捉えられて右前打を許したが、5回1死二塁では内角ボールになるカットボールで二ゴロに。スラッガーに仕事をさせず、上機嫌で振り返った。

「彼を打ち取る方法はいくつかある。第1打席のヒットは失投だった。最後のイニングはいい球を投げられたと思う。バットを折ったかわからないけど、内角に投げ切ることができた。いいスイングをしている時はいい球を投げないといけない」

 試合前まで大谷とは6打数で1本塁打を含む3安打と相性は良くなかった。続くベッツを左飛に打ち取った。思い切ったMVP男対策が功を結ぶ形となった。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY