GG賞獲得の一方で…戦力外も 秋広の前に巨人からトレード移籍した“大砲候補”の明暗

秋広の前の「背番号55」もトレードで開花
有望株と思われていた若手のトレードに、ファンは騒然となった。巨人の秋広優人内野手、大江竜聖投手とソフトバンクのリチャード内野手の2対1のトレードが12日に発表された。特に秋広は22歳とまだ若く、背番号「55」を与えられるなど期待値が高かっただけに、ファンからは驚きの声が上がっている。では、巨人からトレードに出された成功例はあるのか。過去に大砲候補が移籍した前例を見てみた。
秋広の前に背番号「55」をつけていたことで思い出されるのが、大田泰示だ。2008年のドラフト1位で入団すると、松井秀喜の退団後に空いていた「55」を与えられるなど期待値は高かったが、巨人ではレギュラーに定着できず。2017年に日本ハムにトレードされると、4年連続で規定打席に到達。2020年にはゴールデン・グラブ賞を獲得するなど攻守にわたって活躍した。その後はDeNAに移籍し、昨年限りで引退している。
一方、30年近く前に2軍で次世代のスラッガーとして期待されていたのが吉岡雄二だ。2軍で2冠王に輝くなど長打力を発揮していたが、当時の選手層が厚い巨人では出番が限られていた。1997年に近鉄にトレードされると、1999年から5年連続で規定打席に到達。2001年には26本塁打を放つなど「いてまえ打線」の一角として近鉄最後の優勝に貢献した。
巨人から移籍するも開花しなかった有望株もいる。高校通算55本塁打の長打力が魅力だった和田恋は、巨人では出場5試合に終わり、2018年に楽天にトレード。しかし、1軍に定着することはなく、2023年に戦力外となった。東京六大学野球リーグで3冠王を獲得した大森剛も、巨人では何度も2軍でタイトルを獲得するも、1軍に定着できず。1998年に近鉄へトレードされたが、結果を残せず引退した。
身長2メートル、体重100キロの恵まれた体格を誇る秋広は、まだ高卒5年目。3年目の2023年に121試合に出場し、111安打、10本塁打41打点と実力の片鱗は見せていただけに、新天地での開花が期待されるところだ。
(Full-Count編集部)