高山俊、NPB復帰目標は「もちろん」 2軍で打率3割超…起きた変化「一回死んだ身なので」

オイシックス・高山俊【写真:町田利衣】
オイシックス・高山俊【写真:町田利衣】

オイシックス高山俊は今季32試合で打率.308「自分の良さを発揮できている」

 イースタン・リーグに参戦するオイシックス新潟アルビレックスBCで打率.308をマークしているのが、2023年まで阪神でプレーした高山俊外野手だ。NPB復帰を目指すも声が掛からず、新潟の地で迎えた2年目のシーズン。32歳は「いい感じでやれています」と充実の表情を汗を拭った。

 ここまで32試合で打率.308(107打数33安打)、0本塁打、10打点、14三振、15四球。高山は「積極的にいくときは積極的に、自分の良さをしっかり発揮できているのかな。あとは追い込まれてから今年は三振も少なく四球も取れるようになったので、そこがいいところかなと思います」と好調の要因を分析する。

 2015年ドラフト1位で阪神に入団すると、ルーキーイヤーから134試合に出場して球団新人記録を更新する136安打を放って新人王に輝いた。しかしこれがキャリアハイとなり、徐々に数字は下降。1軍出場のなかった2023年限りで戦力外となり、「まだまだ体が動く。辞める選択肢はなかった」と2軍に新規参入したオイシックスに戦いの場を移した。

 昨季は97試合で打率.282、3本塁打、35打点。NPBの補強期限となる7月までに復帰が叶うことはなかった。12球団のチーム事情などにも左右されることではあるが、「やっぱもう、全部が足りなかったですね。打つ方もあまりでしたし、守備も走塁もまだまだだなと思っていたので」と現実を受け止めた。

「野球をやれる環境をもらっていることもそうですし、いろいろ変わった」

 しっかりと爪痕を残している今、「もちろんそこ(NPB復帰)もありますし、チームも昨年以上に勝つことを意識してやっているので、先というか、そういう目標もありながら、毎日毎日、全力で結果を出すことがまずは一番かなと思います」と目指すべき場所を明かす。またあの舞台へ戻るために、残された時間はあと2か月ちょっと。「打つ方もそうですし、守備も走塁も、頑張っていかないといけないなと思っています」。静かな口調の中に、強い決意がにじんだ。

 武田勝監督は「楽しそうにやってくれていますよ。まとっていたものも柔らかくなったというかね」と高山に起きた“変化”を明かす。高山自身も「やはり考え方とかも変わりました。一回死んだ身なので野球をやれる環境をもらっていることもそうですし、いろいろ変わったところはあります」とうなずく。環境面などNPB12球団には劣る中で「やはりすごく恵まれていたなと思って、今まで以上に自分でいろいろ考えながらやらないといけないなとも思っています」と新たな学びも得ている。

 12球団の中でも特に注目度の高い阪神で“ドラ1”として揉まれてきた男は、オイシックスで新たな野球観も得ながら結果を残している。以前とはまた違った「高山俊」の姿が、そこにはあった。

(町田利衣 / Rie Machida)

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