同じ失敗を繰り返す救援投手 日米23年リリーフの考え…振り返った「難しさ」

「月曜日もパテレ行き」に出演した五十嵐亮太氏【写真:PLM】
「月曜日もパテレ行き」に出演した五十嵐亮太氏【写真:PLM】

「パーソル パ・リーグTV」が配信する「月曜日もパテレ行き」

 野球中継がない月曜日にも楽しんでもらおうと始まった「パーソル パ・リーグTV」公式YouTubeチャンネルの「月曜日もパテレ行き」。5月19日の配信回は、五十嵐亮太さんとT-岡田さんが、先週1週間のパ・リーグを振り返った。

 5月15日、日本ハム・宮西尚生投手が通算880試合連続リリーフ登板を達成し、NPB新記録を樹立した。その一方で今季は抑え投手が救援に失敗する試合も目立ち、各チーム救援陣の整備が必須となっている。歴代3位の823試合連続リリーフ登板記録を持つ五十嵐氏は結果を残し続ける難しさを解説した。

 五十嵐氏は「メンタル面が大きい」と開口一番に伝えた。「同じシチュエーションでも、どういう形で点数を取ったか、または取られたかで(試合の雰囲気が)全く違うんですよ。でも、僕たちブルペン陣は、こちら側で状況をつくることができない。状況を見て、間に入っていくような形になるので、悪い雰囲気に飲み込まれてしまうとか、良い状況だったけれど、そこにうまく入っていけないとか、そういった気持ちの面での難しさがありますね」と振り返った

 クローザーやセットアッパーは技術的にしっかりしたものを持っていないと任されないが、救援失敗は技術的なことではなく、試合の流れへの適応や冷静な状況判断ができていないことが多いと分析。雰囲気に飲まれて実力を発揮できないなら経験を積むしかなく、それでも対応できなければ技術的なところから見直すべきだと説いた。

 日米23年間でリリーフ一筋の五十嵐氏は、同点やビハインドの登板でも「自分の投球でチームに良い流れをつくりたい」とポジティブな気持ちでマウンドに向かえた時は投球内容が良かったという経験がある。どんな状況下でも自分のパフォーマンスを発揮するための気持ちの持っていき方を理解しておく必要性を説いた。

「自分には何が足りないのか、自分を俯瞰して見ることができないと結果はついてこない」と続け、ずっと同じ調子を保つのは難しいため「投げながら、感じながら、考えながら」が重要だと強調。フィジカル面でもメンタル面でも原因を追求し、振り返らないと同じ失敗を繰り返し、1軍で長くやり続けるのは難しいと語った。レジェンドからの重みのある言葉となった。

(「パ・リーグ インサイト」後藤万結子)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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