昨年大不振の41歳レジェンド大砲 9年目でキャリアハイ目指す31歳…躍動する“オーバー30”

西武・中村剛也【写真:栗木一考】
西武・中村剛也【写真:栗木一考】

パ・リーグ6球団で活躍するベテランを紹介

 長いシーズンを戦い抜くためには、ベテランの存在は、チームにとって大きな力となり得る。ここでは2025年のパ・リーグで活躍を見せている30歳以上の選手たちを、1人ずつ紹介する。(※成績は5月18日の試合終了時点)

○石井一成内野手(日本ハム)
 2017年のプロ1年目から即戦力として活躍し、二塁、遊撃、三塁をこなすユーティリティ性を武器に内野のスーパーサブとして存在感を放ってきた。通算打率.220、通算OPS.604とキャリアを通じて打撃面に課題を抱えていたが、今季は打率.345、OPS.856と非常に優れた数字を残している。プロ9年目にしてキャリアハイのシーズンを送れるかに注目が集まる。

○鈴木大地内野手(楽天)
 プロ2年目の2013年からレギュラーに定着し、内野全ポジションに加えてレフトもこなす万能性と安定した打撃でロッテの主軸として活躍。2020年の楽天移籍1年目には自己最高の打率.295を記録した。今季も打率.268、出塁率.348とキャリア平均に近い成績を残し、プロ14年目を迎えた35歳の現在も安定感は健在だ。

○中村剛也内野手(西武)
 6度の本塁打王と4度の打点王に輝き、歴代10位となる通算481本塁打を記録するレジェンド。24年間のプロ生活を通じて近年のNPBを代表する和製大砲として比類なき実績を積み上げ、生え抜きの中心選手として3度のリーグ優勝に貢献した。2024年は極度の不振に陥ったが、今季は28試合で3本塁打、打率.282、OPS.849と好成績を記録。41歳を迎えた今もなお強打者として存在感を放ち、通算500本塁打の大台到達にも期待がかかる。

○藤岡裕大内野手(ロッテ)
 プロ1年目の2018年に全143試合に出場し、遊撃手の主力として活躍。安定した打撃と優れた選球眼に加え、近年は三塁手や二塁手としても出場を重ね、攻守にわたって幅広い役割をこなしてチームを支えている。今季は開幕直後こそ不振に陥ったが、4月は月間打率.271、5月は同.302と徐々に状態が向上。二塁手のレギュラーを務めながら打率.256、出塁率.352、OPS.720とチャンスメーカーとして、苦戦が続く打線の中で奮闘を見せている。

○阿部翔太投手(オリックス)
 28歳でプロ入りした遅咲きの右腕。2年目の2022年に44試合で22ホールド3セーブ、防御率0.61と安定感抜群の投球を見せ、チームがリーグ優勝を決めたシーズン最終戦では胴上げ投手を任された。2023年には自己最多の49試合に登板してチームのリーグ連覇に大きく貢献。2024年は17試合の登板にとどまったが、今季は11試合で防御率1.80、奪三振率9.00と好投し、完全復活の1年となる可能性を秘めている。

○中村晃外野手(福岡ソフトバンク)
 2014年の最多安打に輝いた高度な打撃技術と、通算出塁率.362、通算IsoD.085を記録する卓越した選球眼を武器に長きにわたって主力打者として活躍。2020年から4年連続で一塁手部門で「三井ゴールデン・グラブ賞」を獲得した守備力も備え、攻守にわたってチームの黄金時代を支えてきた。2024年は打率.221と不振に陥ったが、今季は打率.290、出塁率.392、OPS.751と復活を遂げ、5月中旬以降は4番を務めて打線をけん引している。

 今回取り上げた選手たちはこれまで培ってきた豊富な経験を生かし、今後のシーズンにおいても貴重な働きを見せ続けることができるか。長きにわたってさまざまな役割でチームを支えてきたベテランたちの奮闘に、いま一度注目してみてはいかがだろうか。

(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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