菅野智之がド軍の救世主に? 番記者が語る電撃獲得、日本人カルテットは「面白い」

ドジャースは先発陣に負傷者が続出、菅野ら先発投手は補強ポイントに
オリオールズの菅野智之投手は、今夏のトレード市場で早くも注目を集めている。35歳でメジャー挑戦となった今季は11試合登板で4勝3敗、防御率3.23と奮闘。しかし、地区優勝候補に挙げられたチームは最下位と低迷し、7月31日(日本時間8月1日)までのトレード期限までの移籍が噂されている。
ずばりドジャースの救世主となる可能性は? 米メディア「ジ・アスレチック」のドジャース番、ファビアン・アルダヤ記者に聞いた。
「どうだろうね。ドジャースが好むタイプの選手か分からない。もちろん今年は素晴らしい投球をしているけど、ドジャースはいつも三振をたくさん取れる投手を狙う傾向があるんだ。スガノは三振を奪うタイプというより打たせて取るタイプ。正直分からないね」
開幕前はメジャー屈指の豪華ローテーションと期待されたドジャースだが、先発陣に負傷者が続出。2度のサイ・ヤング賞左腕ブレイク・スネル、長身右腕タイラー・グラスノーは早々に負傷離脱。佐々木朗希も右肘インピンジメント症候群で戦列を離れている。
「毎年ドジャースは投手を補強しているのに、結局またトレード期限に投手が必要になってる気がする。とにかく怪我人だらけ。一番の問題だと思う。エミット・シーハンとかはもうすぐ戻ってくるだろうし、グラスノーがいつ復帰できるかも今後分かってくる。もっと先にはオオタニも控えているけど、今は本当に“パッチワーク(継ぎはぎ)”で何とかやっている感じだね」
そこで菅野だ。昨年12月に1年1300万ドル(約20億円)でオリオールズ入り。仮に獲得したとしても菅野を保有できる期間が短いことで、多くの若手有望株を“見返り”として求められることはない。今季を戦い切る補強選手としての魅力は十分だ。
2017年WBC準決勝で米国代表相手に6回3安打1失点、ドジャースタジアムとも相性抜群
そしてドジャースタジアムとの“相性”もある。2017年ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の準決勝で、米国代表を相手に6回3安打1失点(自責0)と好投。6三振を奪ったインパクトはアルダヤ記者の脳裏にも残っている。
「単年契約は有利に働くかもしれない。ドジャースとしても、あまり多くを差し出さなくて済むからね。(菅野獲得の)可能性はゼロってわけではないね」
すでにチームには大谷翔平、山本由伸、佐々木朗希と3人の日本選手が所属している。日本人カルテットの結成はあるのか。
「それは面白いね。もし、どこかの球団がそれをやれるなら、それはドジャースだと思う。どうなるか見てみよう」
昨季は通算58勝右腕ジャック・フラハティをトレード獲得し、ワールドシリーズ制覇へ大きな戦力となった。トレード・デッドラインまで2か月ちょっと。今年も目が離せない展開となりそうだ。
○著者プロフィール
小谷真弥(こたに・まさや)1983年、大阪・大阪狭山市生まれ。埼玉・東松山市育ち。明大明治高、明大野球部を経て2006年報知新聞社に入社。地方部(富山・石川)を経て09年に運動第一部(野球部)へ異動。09年ロッテ、10、11年横浜、12年から巨人、15年から日本ハム、17年からメジャー担当。19年2月からFull-Count編集部に所属。
(小谷真弥 / Masaya Kotani)