オリ宮城大弥が明かす故郷登板への思い 昨年はまさかの離脱…心待ちにする指笛応援

オリックスは7月1、2日に沖縄県那覇市で西武と2連戦
オリックスの宮城大弥投手が、7月2日に沖縄で開催される西武戦(セルラースタジアム那覇)に先発することが確実となった。チームは2年連続して沖縄で公式戦を戦うが、宮城は昨年、左胸を痛めて戦列を離れており、凱旋登板はプロ6年目で初めて。
「『投げてくれ』と言われたり、カード的に当たったりするのなら、それは全力で頑張ります」。シーズンが始まったばかりの4月末、宮城が自然体を強調しながらも、故郷での登板に意欲を示した。
オリックスは昨年5月14、15日に、チームとして8年ぶりの主催試合を開催したが、宮城は同8日の楽天戦(秋田)で左大胸筋を痛めて戦線離脱してしまった。沖縄県出身の比嘉幹貴投手(現1軍投手コーチ)や大城滉二内野手も故障で参加できず、ただ一人帯同した豊見城市出身の宜保翔内野手には、スタンドから大きな声援が寄せられた。
テレビで観戦していた宮城は「宜保さんへの応援を観て、すごいなと思いました」と沖縄の野球熱と郷土愛に改めて驚かされたという。年末に帰省した際には「同級生から『なぜ来なかったんだ』と言われました。今年は行けるように怪我なく迎えたいと思います」と、沖縄での登板が今季の目標の一つになっていた。
交流戦明けの初戦は、九里亜蓮投手が務めた。宮城は6月22日に登録を抹消され最短での再登録が7月2日で、凱旋登板が実現することになりそう。
「去年は雨で寒かったそうですから、心配はお天気だけですね」。沖縄遠征までに長期ロードが続き、その間、天候不順で体調を崩した選手もいたことから、よいコンディションで迎えることを願った。
うれしい要素もある。指笛が響き渡るなど沖縄独特の熱狂的な応援だ。「(マウンドに登れば)いいところをみせたいという気持ちも出てくると思います。見ている人がほとんど知っている人とか、知り合いだったりしたら、気合が入りますし。応援は、緊張して聞こえない時も全然、あります。そこはちょっとやってみないと、わからないですが」。興南高のエースから、オリックスのエースとして成長した姿を、うちなんちゅ(沖縄生まれの人)に披露する。
〇北野正樹(きたの・まさき)大阪府生まれ。読売新聞大阪本社を経て、2020年12月からフリーランス。プロ野球・南海、阪急、巨人、阪神のほか、アマチュア野球やバレーボールなどを担当。1989年シーズンから発足したオリックスの担当記者一期生。関西運動記者クラブ会友。2023年12月からFull-Count編集部の「オリックス取材班」へ。
(北野正樹 / Masaki Kitano)