WBC米国代表に“奇策”「1番・ジャッジ」 WS制覇の名将が大胆堤案「やってみては?」

WBCのデローサ監督とタイガースのヒンチ監督が議論
最大のライバルに仰天案が浮上した。来春のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の米国代表を巡る話題が米放送局「MLBネットワーク」で取り上げられた。マーク・デローサ監督に対して1番打者にアーロン・ジャッジ外野手(ヤンキース)を起用するという驚きの提案が飛び出す場面があった。
米国代表にはジャッジが既にキャプテンとして出場が決まっている。昨年の新人王のポール・スキーンズ投手(パイレーツ)や、昨年の首位打者のボビー・ウィットJr.内野手(ロイヤルズ)も出場する予定で、前回の2023年を上回る超豪華メンバーとなる期待も高まっている。
番組には2017年にアストロズでワールドシリーズを制覇するも、サイン盗み疑惑で解任され、現在はタイガースを指揮するAJ・ヒンチ監督が出演。デローサ監督と意見を交わした。ヒンチ監督はアストロズを率いていた2016年当時、強打者だったジョージ・スプリンガー外野手を1番打者として起用。この采配について、デローサ監督は「あれで多くのチームの打線構築に対する見方が変わったと思います」と評価した。
するとヒンチ監督は、試合の第1球こそが投手と打者の両方に「最もプレッシャーがかかる」とし、スプリンガーが「その第1球を本塁打にすることにこだわりがあった」と説明。第1球で試合の流れを支配するという、采配の意図を明かした。その上で「ですから……私はあなたに挑むべきですね。WBCでジャッジを1番にしては? やってみてはどうですか?」とデローサ監督に迫った。
すると、デローサ監督は「そうはしたくないし、そうはしないと思うが、あなたがそう言う理由はわかります」と“1番打者ジャッジ”には否定的な答えを示した。他方で「我々の時代は外角への速球を投げて試合のリズムをつかんで味方全員をアジャストさせてあげよう、という感じだったのが、今はバーンと打たれて、突然1対0、ワオ、という感じですよね」と語り、1番打者の概念が変わったことを認めた。
ヒンチ監督は「それは、以前よりかなりパワーが重視されるようになったからだと思います」と回答。「忘れてはならないのは、プレッシャーが力になる可能性があるということです。常に1対0リードということにならなくても、リードオフがプレッシャーをかけることで、試合に入っていく相手投手を乱すことができるんです」と述べ、改めて自らの“1番打者論”を強調した。
今季はドジャースの大谷翔平投手も1番打者として固定され、チーム快進撃を続けている。来春のWBCの舞台では、米国代表にも“最強の1番打者”が誕生するのか、超豪華な打線の行方に注目が集まる。
(Full-Count編集部)