ギャップ全開の「まいどおおきに!」 中川圭太、話題の決め台詞…本人が明かす誕生秘話

オリックス・中川圭太【写真:栗木一考】
オリックス・中川圭太【写真:栗木一考】

「昇天ポーズ」「ホイサー」に続くか?

 クールな男がソフトな口調で語る大阪弁。オリックスの中川圭太外野手が、ヒーローインタビューを「まいど おおきに」で締めるようになったことが、ファンの間で話題となっている。

「岩本(勉)さんです。1年目から『言え』と言われていたんです」。中川が意外な真相を明かしてくれた。

 実は、元日本ハムにドラフト1位で入団した岩本さんは大阪・八尾市出身で、中川の父の阪南大学高校野球部の1年先輩。「お世話になっている方で、本気で言ったのか冗談だったのかはわかんないですけど」。PL学園、東洋大から2018年ドラフト7位で入団した時、岩本さんの代名詞にもなっている「まいど!」をヒーローインタビューなどの際に使うようにアドバイスされたという。

 7年目に果たした“約束”も、意外な場面から実現した。5月5日の日本ハム戦(京セラドーム)。決勝打を放って登ったお立ち台で、最後の締めを4勝目を挙げた九里亜蓮投手から「最後、圭太に締めてもらいたいと思います」と突然、振られた。

「ぱっと思いついたのが、それやったんです」。数秒の沈黙の後に出たのが「今日はありがとうございました。まいど おおきに」だった。元祖の絶叫調の「まいど!」ではなく、ソフトに語尾をまとめる「まいど おおきに」。

 スタンドで観戦した中川ファンで兵庫県明石市の木下典子さんは「困ってる、困ってる、なんて言うんだろうと見ていたから、目が点になりました。いつもクールな圭太さんが、照れながら言っているところがかわいかったですね」。SNS上でも「中川選手から新鮮な言葉が飛び出しましたねぇ。善きかな」「突然のまいど おおきに、可愛すぎる」などという反響があった。

「オリ姫デー」の6月28日の楽天戦(同)でも、「まいど おおきに」で締めた中川。「1回、言ったからいいかなと思って。ホームだけ言おうかなと思っています」と継続を約束した。

 チームでは杉本裕太郎外野手の「昇天ポーズ」や頓宮裕真選手の「ホイサー」がスタンドと一体になる合言葉になっているが、「それはありません」と中川。自らのスタイルは崩さず、あくまでクールに締めるつもりだ。

 打撃も交流戦後の練習で、左足の使い方を修正したことで、自然な形で右方向にも打球が飛ぶようになった。自信を深めたのは7月1日の西武戦(セルラースタジアム那覇)。2-0の8回2死一、二塁で外角のストレートを右翼線へ適時二塁打を放った場面に「完璧でした。ちょっと感覚が出てきました」と言葉が弾んだ。自然な形でバットを出す新しい打法は継続しながら、微調整を加えることでバージョンアップを続ける。3度目の「まいど おおきに」もそう遠くはない。

〇北野正樹(きたの・まさき)大阪府生まれ。読売新聞大阪本社を経て、2020年12月からフリーランス。プロ野球・南海、阪急、巨人、阪神のほか、アマチュア野球やバレーボールなどを担当。1989年シーズンから発足したオリックスの担当記者一期生。関西運動記者クラブ会友。2023年12月からFull-Count編集部の「オリックス取材班」へ。

(北野正樹 / Masaki Kitano)

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