今井達也から受けたサプライズで「泣きそうに」 入江大生が無言のエールに受けた思い

DeNA・入江大生【写真:荒川祐史】
DeNA・入江大生【写真:荒川祐史】

右前腕の神経障害で球宴辞退も…26日には2軍戦で復帰登板を果たした

“盟友”の行動に、胸が熱くなった。DeNAの入江大生投手が「いやーもう本当にうれしかったです。泣きそうになりました」と振り返ったのが、西武の今井達也投手が球宴で見せた“神対応”だ。作新学院高で夏の甲子園優勝を果たした同級生の2人。それは横浜スタジアムで行われた第2戦で起きた。

 パ・リーグの先発を務めた今井は、入江の登場曲「世界中の誰よりきっと」を使用してマウンドへ。先発にも関わらず、リリーフカーに乗って現れた。場内演出は今井の希望により、シーズンで入江が登場する際と全く同じものが使われていた。

 監督推薦で自身初の球宴出場を決めていた入江だが、右前腕の神経障害により辞退。入江の本拠地で、今井が送った“無言のエール”だったのだろう。「たっち」と呼ぶ入江は「世間的にはクールなイメージですけど、本当にああいうことをしてくれるんですよ。リリーフカーで出てきたのがすごいですよね」と喜んだ。

 今井に「ありがとう」と感謝のLINEをすると「事前に連絡できなくてごめん」と返ってきたという。「めっちゃいいヤツ。惚れそうになりました、いい男でしょ(笑)」とニコニコの入江。サプライズで思い出すのは、高校時代にもらった誕生日プレゼントだそうで「あのハーフパンツ、まだ部屋着で持っています」と“絆”をアピールした。

 球宴では、8回に7番手で登板した同僚のアンドレ・ジャクソン投手も、リリーフカーで登場する際に入江が普段やっているグラブで顔を隠すポーズを真似していた。「挨拶したら『I’m your twin(私はあなたの双子)』って。これも泣きそうになりましたよ」とさまざまな思いを受け止めた。

 12日に右前腕の神経障害により出場選手登録を外れたが幸い症状は軽く、順調にリハビリをこなして26日のイースタン・リーグ、ロッテ戦で復帰した。ここまで29試合で2勝1敗、15セーブ2ホールド、防御率1.65を誇る右腕の1軍復帰は、首位の阪神を追いかけるうえで必要不可欠なのは間違いないだろう。

「昨年は1年間投げられなくて、今年は2年分の活躍をしようと思ったんですけどチームに迷惑をかけることになってしまった。でも今は最後まで投げ切れるコンディションづくりと土台づくりをしようと思っています」と入江。心揺さぶられたエールも糧に、再び横浜スタジアムのマウンドで「世界中の誰よりきっと」と響かせる。

○著者プロフィール
町田利衣(まちだ・りえ)
東京都生まれ。慶大を卒業後、スポーツニッポン新聞社に入社。北海道総局で日本ハム、東京本社スポーツ部でヤクルト、ロッテ、DeNAなどを担当。2021年10月からFull-Count編集部に所属。

(町田利衣 / Rie Machida)

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