“制球難”露呈も…DeNA藤浪晋太郎に捕手が受けた衝撃 課題の右打者に「活かせたら」

DeNA・藤浪晋太郎(右)と九鬼隆平【写真:町田利衣】
DeNA・藤浪晋太郎(右)と九鬼隆平【写真:町田利衣】

2度目の登板からコンビを組む九鬼「距離が近く見えるので捕るのも大変」

 DeNAに加入した藤浪晋太郎投手は、6日のイースタン・リーグ、巨人戦で4回途中3安打5失点(自責3)、5四球2死球だった。日本復帰3度目のマウンドで課題とされる制球面の不安を露呈した形となったが、コンビを組んだ九鬼隆平捕手はどう見ているのだろうか。

 移籍後初登板となった7月26日の同ロッテ戦は、1回をわずか5球で3者凡退。このときは伊藤光捕手と組んでいたが、2度目となった31日の同西武戦から九鬼がバッテリーを組み、3回無安打無失点2四球だった。

「前回ベルーナ(ドーム)で受けたときは僕も衝撃を受ける球を投げていて『やっぱすごいな』と思っていました。めちゃくちゃ速かったですし、ほかの投手に比べて距離が近く見えるので、僕も割と『これは捕るのも大変だな』という印象を受けました」

 九鬼は2023年までソフトバンクに在籍していたこともあり、ウエスタン・リーグで対戦した経験がある。197センチの長身から投げ下ろす剛速球に「そのときも近く感じるなとは思っていましたし、怖さもある。それであの球、160キロ近い150キロ後半とかを投げられたらなかなか打てる球ではないなと思っていました」というが、実際に投球を受けてみて改めて強みを実感したということだろう。

 とはいえ、いくら剛速球があっても制球が定まらなくては厳しい。前回登板では課題とされる右打者に対して2死球。九鬼は「僕も2回目なので探り探りの部分はあるんですけど、腰が引けているような打者が多いので変化球は有効になるのかなと思います。右打者は嫌がっている感じもある。それは藤浪さんのいいところでもあるので、そこも活かせたらいいなと思っています」と話す。

 またトラックマンのデータ上はストライクとなっていた際どいボールも多かっただけに、「いいところに投げている球もあったので、なかなか取ってもらえなかったですけど、ああいうところに要所要所で投げられてストライクを言ってもらえるともっと楽に投げられるかなと感じました」とも。“制球難”にばかり目を向けられがちだが、打者を圧倒する球を投げているのも事実。否が応でも注目されるマウンドで、次回はどんな姿を見せてくれるのだろうか。

○著者プロフィール
町田利衣(まちだ・りえ)
東京都生まれ。慶大を卒業後、スポーツニッポン新聞社に入社。北海道総局で日本ハム、東京本社スポーツ部でヤクルト、ロッテ、DeNAなどを担当。2021年10月からFull-Count編集部に所属。

(町田利衣 / Rie Machida)

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