守備開始前に消えた大谷 投手なのにまさかの行動…記者席から見えた忙しすぎる初勝利

ベンチから戦況を見守るドジャース・大谷翔平【写真:ロイター】
ベンチから戦況を見守るドジャース・大谷翔平【写真:ロイター】

降板直後に打席へ向かうのが3度も…大忙しだった大谷翔平

【MLB】ドジャース 5ー1 レッズ(日本時間28日・ロサンゼルス)

 驚きの“仕事ぶり”を目撃した。ドジャースの大谷翔平投手は27日(日本時間28日)、本拠地でのレッズ戦で、復帰後初勝利を挙げた。1番打者として出場しながら、投手として5回を投げて9奪三振を奪う力投。さらにこの日は最初の3打席が全て登板直後に回ってくるとあって、ベンチの中が見えるバックネット裏の記者席からは、慌ただしい大谷の様子が見えた。

 本拠地での登板の際には、初回の投球を終えた後に打席がやって来る。降板後ベンチには下がらず、用意された防具や手袋を装着。この日は4番ヘイズを中飛に打ち取った後、2分も立たないうちに大谷は打席に立っていた。

 3回にはネクストバッターズサークルで攻撃が終了。大谷は一度防具などを外してマウンドへ向かった。4回の投球を終えると、落ち着く間もなく、ダッシュでベンチへ。野手ならまだしも、投手がダッシュでベンチへ戻るのはプロ野球ではかなり珍しい光景だ。

 その後の打席では右前打を記録し、5番のE・ヘルナンデスの適時打で生還。しかし、気が付けばもう9番フリーランドの打席だ。息を整えていた大谷は、フリーランドに2球投げられるまでネクストバッターズサークルに不在。ようやく姿を見せたが、フリーランドが凡退し、またも1度下がってマウンドへ向かうことになった。

 イニング間には球場に2分のタイマーが表示されるが、大谷の登板時は審判によってその時間が配慮される。大谷は5回のマウンドへ向かう際、一度ベンチ裏へ下がって再登場したが、その時にはタイマーが「0:47」まで減っていた。しかし、大谷が出てくるとまた2分のカウントにリセットされていた。他球場での登板の際にも、同様の形で投球練習の時間が確保されている。

 5回を投げ終わると、汗をぬぐいながらベンチへ。復帰後初の5イニングを投げ終わったのも束の間。すぐに打席があるため、大谷はダッシュして打席の準備へ向かった。

 大忙しの中で挙げた749日ぶりの勝ち星。それでも試合後には「勝ち星はもちろん対戦との兼ね合いがあるので、あんまり気にしても仕方ない部分もある。最後に5イニング投げきったっていうところが1番いいところかなと思っています」とサラリ。13連戦が終了し、28日(同29日)は休養日。体力をたくわえ、勝負の9月へ臨む。

(上野明洸 / Akihiro Ueno)

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