松井秀喜が感動した“光景” 33年ぶりの体験…心を揺さぶった名曲、忘れなかった感謝の想い

松井秀喜氏の母校・星稜高の生徒が応援にかけつけた
「SATO presents 高校野球女子選抜 vs イチロー選抜 KOBE CHIBEN」が8月31日、バンテリンドームで行われた。「4番・中堅」で出場した松井秀喜氏は第2打席で豪快な右越え本塁打を放った。2年連続となる一発で名古屋のファンを楽しませた“ゴジラ”は、特別な思いで打席に立っていた。
5回目となった恒例の真剣勝負はイチロー氏の地元、愛知で初開催。右翼席では同氏の母校、愛工大名電高の応援団が球場を盛り上げた。いっぽうの左翼席には松井秀氏の母校、星稜高の応援団が石川県から駆けつけ、吹奏楽部の演奏やチアリーダーの声援が響き渡っていた。
試合中に流れてきたのは同校の名物応援曲「星稜コンバット」。松井秀氏も「三十何年ぶりに母校の応援の中で打席に入った」と感慨深げな笑みを浮かべた。
「5連続敬遠の、あの試合以来だと思います」。振り返ったのは1992年、夏の甲子園2回戦の明徳義塾(高知)戦。注目スラッガーだった松井秀氏は5打席連続で敬遠され敗退していた。当時は社会問題にもなった一戦だった。
母校の応援の中でプレーしたのは、このとき以来33年ぶりだという。「だからいいもんですよね。久しぶりの『星稜コンバット』はいいですよね。感動しました」。後輩の思いも乗せてスタンドに運んだ特大アーチだった。
「ありがとう。とってもパワーをもらいました!」。グラウンドでのインタビューでは声を張り上げて左翼席に手を振った。後輩たちの熱い声援は確かに松井秀氏の心に届いていた。