沖縄の“野球熱”に「少しでも野球人口が」 二刀流でフル回転…オリ宮城大弥が回顧するU-18W杯

U-18日本代表時代の宮城大弥【写真提供:産経新聞社】
U-18日本代表時代の宮城大弥【写真提供:産経新聞社】

オリックス宮城は2019年に出場し、投打の二刀流として活躍

 9月5~24日の期間、沖縄を舞台に「ラグザス presents 第32回 WBSC U-18 野球ワールドカップ」(以下、U-18W杯)が開催される。1981年から始まり、今年で32回目を数える歴史ある大会。Full-Countでは、2015年の大阪以来2度目となる日本開催を盛り上げるべく、かつて同大会に出場したNPB選手たちに“あの夏”の記憶を呼び覚ましてもらった。

 地元開催を心から喜ぶのは、2019年の第29回大会に出場したオリックスの宮城大弥投手だ。「日本や世界のトップクラスの高校球児のプレーを間近で見られることはなかなかない。沖縄の子どもたちにも良い経験になると思います」。自身は高校だけでなく中学時代にU-15、プロ入り後はトップチームと、侍ジャパンの3カテゴリーで代表を経験している。日の丸を背負うプレーすることをどのように感じていたのか。

「年々やっぱり深さだったり重さっていうのは変わってきてるなと思います。U-15、U-18では選ばれて『よっしゃー』っていう喜びが大きかった。プロにも入りたかったので、ここでアピールするぞ、という思いが大きかった。でも、プロに入れば全然違います。選ばれなかった人の分までとか、本当に国を背負う者として、世界一を取りに行く姿勢だったり覚悟も、またさらに増えていきましたね」

 出場した2019年の第29回U-18W杯では、投手陣はロッテの佐々木郎希投手、ヤクルトの奥川恭伸投手ら9人中6人がプロ野球の世界に進む“最強布陣”だった。打撃力も買われていた宮城は、スペインとの初戦に代打で大会初出場を果たし、遊撃内野安打をマーク。その後は米国戦でリリーフ登板して1回3奪三振の快投を見せるなど「投打の二刀流」としてフル回転したが、結果は5位に終わった。

後輩たちへエール「高いレベルでプレーすることで壁を乗り越えないと」

 ただ、韓国という異国の地で世界の強豪と対峙したことで、宮城自身も得たものは大きかった。アウェーで戦う難しさ、規格外の身体能力を持つ外国人選手――。能力の高い選手たちが集まる大舞台で、結果を残す難しさを肌で感じることができた。

「僕はピッチャーが好きだったのですが、周りを見ると凄い投手ばかりで……。沖縄の中では少し有名になったつもりでしたが、外の世界に出てみればやっぱり、まだまだだなと思い知らされました。もう、本当に全力で精一杯やるだけ。代打やリリーフ、外野も守りましたが、常に全力で任されたポジションで誰にも負けないようにと思いながらやっていました。チームとしては結果を残せなかったですが、本当に素晴らしい経験を積むことができました」

 今夏の甲子園は戦後80年の節目で沖縄尚学が初優勝を果たし大盛り上がりとなったが、その沖縄の地でW杯が開催されるだけに勢いはまだ続いていく。「沖縄自体が盛り上がってくれることは、やっぱりすごく嬉しいです。その中で(子どもたちが)見て学んで、野球人口が少しでも増えることに関しては、僕自身も本当に嬉しい限りです」。

 大会連覇を目指す“後輩”たちに向け「高いレベルでプレーすることで壁を乗り越えないと、上の世界に行けないんだなって感じるところもあると思う。そこを経験して、もっと個人の能力が増えていけばまた成長できると思います」と、エールを送りつつ期待を寄せた。

【当時の様子】緩急自在は高校時代から… U-18で三振を奪うオリックス宮城大弥

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