105億円契約も…ド軍守護神が抱える「8」 見えぬ復調、山本由伸は3度の“被害”

ドジャースのタナー・スコット【写真:ロイター】
ドジャースのタナー・スコット【写真:ロイター】

山本由伸の白星は3度消滅…直近30試合で防御率6.59

【MLB】オリオールズ 2ー1 ドジャース(日本時間6日・ボルティモア)

 またもや背信投球となった。ドジャースのタナー・スコット投手は5日(日本時間6日)、敵地でのオリオールズ戦で同点の9回から登板するも、サヨナラ弾を浴びて3敗目を喫した。今季は51試合に登板するも防御率4.56、20セーブの一方で失敗は8はメジャーワースト2位タイと、加入1年目は期待外れの成績となっている。

 1-1の同点の9回にマウンドに上がったスコットは、2者連続で三振を奪う上々のスタートも、8番のパサロに5球目のフォーシームを捉えられて痛恨の被弾。試合後、「完全に球種の選択ミスだった。またそれで試合を台無しにしてしまった。もうこんなのはうんざりだよ。なんというか今、野球の神様に見放されてるんだ」と、目も虚ろな様子で報道陣の取材に応じるしかなかった。

 もっとも、スコットが球種の選択を“誤る”のは今回が初めてではない。7月13日(同14日)のジャイアンツ戦で9回に同点2ランを献上。デーブ・ロバーツ監督は「スライダーを投げる時、内に入ってくる球が多すぎだ。そして、(いつも)同じコースの速球が捉えられている。だから、速球はもう少し他の所にも投げないといけない」と苦言を呈していた。

 厳しい言葉が出るのは、過去の実績と契約を考えても当然と言える。スコットはマーリンズ時代の2023年に74試合で防御率2.31、昨季はパドレスとの2球団で計72試合に投げて防御率1.75。過去2年の勝利貢献度WAR7.9は救援投手1位で、オフに4年7200万ドル(約105億円)の大型契約でドジャースに加入した。5月17日(同18日)時点では21試合で防御率1.74、9セーブとさすがの成績だった。

 しかし、山本由伸投手が7回1安打無失点9奪三振の好投を見せた5月20日(同21日)のダイヤモンドバックス戦から、歯車が狂い始める。は1-0の9回に同点ソロを被弾して山本の勝ち星を消すと、続投した延長10回にも再び一発を献上。以降の30試合では防御率6.59、6度もセーブ失敗を喫している。この日を含め、山本の白星を消したのは7月13日(同14日)ジャイアンツ戦、8月31日(同9月1日)のダイヤモンドバックス戦と3回もあった。

 投手陣を中心に故障者が続出しているドジャースは、ブルペン防御率4.19はメジャー30球団中20位にとどまっている。1点がより重くのしかかってくるシーズン終盤。スコットの復調が心から待たれる。

(Full-Count編集部)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY