侍U18への“粋な計らい”は「当たり前のこと」 キューバ左腕の謝罪…行動に込めた思い

日本戦に登板したキューバ代表のディオスデニス・ペントン【写真:加治屋友輝】
日本戦に登板したキューバ代表のディオスデニス・ペントン【写真:加治屋友輝】

キューバ左腕の粋な対応に球場のファンは拍手を送った

 思いやりは世界共通のようだ。野球日本代表「侍ジャパン」U-18は7日、「ラグザス presents 第32回 WBSC U-18 野球ワールドカップ」でキューバに3-0で勝利した。日本の快勝に終わったこの試合で、キューバ代表・左腕ディオスデニス・ペントン投手の“粋な行動”が注目を集めた。

 全勝対決となった一戦の2回1死一、二塁だった。先発のペントンが1番・岡部飛雄馬内野手(敦賀気比)に死球を与えた直後だった。マウンドを駆け下り、すぐさま“謝罪の握手”を求めた。岡部も左手を出しながらヘルメットのツバを抑え会釈で返した。

 試合後、ペイトンに迷わず駆け寄った理由を聞くと「よくキューバの野球である行為です。意図的ではなかったと伝える、リスペクトの証です。握手までするのは当たり前のことです」と返ってきた。日本でも謝罪は当然の行動だが、マウンド降りてまで示した敬意に球場に詰めかけたファンからは大きな拍手が送られた。

 試合は日本が終始キューバを圧倒し完封。全勝同士ではあったものの、キューバ指揮官は力の差を認めた。「(日本の高校生は)素晴らしいですね、とても高く評価します。打者は打ちたい球を待てる辛抱強さ、規律は何よりも優れていると思います」と絶賛だった。

 相手を思いやる心に国籍は関係ない。国際大会で生まれた素敵な一幕だった。

(木村竜也 / Tatsuya Kimura)

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