岩嵜翔、35歳の進化を支える“4リットル” ウエートトレーニング不要…筋肉を支える秘訣

8月には3連投…衰え知らずの肉体を支える“水”
オリックスの中継ぎのレジェンド、岩嵜翔投手の躍動を1日4リットルの水分補給と家族が支えている。
「投げた日は4リットルくらいは飲みますね。体の疲れの回復と筋肉量が落ちないように水分はしっかりと取るようにしています」。岩嵜がコンディション維持の秘訣を明かした。
岩嵜は、市船橋高(千葉)から2007年高校生ドラフト1位でソフトバンクに入団。フリーエージェント(FA)による人的補償で中日に移籍後、今年5月にオリックスに金銭トレードで移籍した。
2017年に72試合に登板、最優秀中継ぎに輝きソフトバンクの日本一に貢献した。2022年のトミー・ジョン(TJ)手術後、球速もアップし完全復活を果たした。オリックスでは8月末で28試合に登板し、11ホールドを挙げチームの勝利に貢献している。
35歳の右腕を支えているのが、水分補給だ。「今年からウエートトレーニングはほぼせず、投げること以外は張りを作らないようにしています」という岩嵜が接したのが、「筋肉が充分な水分を保つことで筋収縮がスムーズに行われ、筋肉のパフォーマンスが向上する」という水分補給の重要性を示す情報だった。登板日には試合前までに約1.5リットルを摂取し、投げ終わったら寝るまでに3リットル以上は水を飲む。「投げ終わったら筋肉の水分量も減ると思うので、けがを防ぐ意味からも常に意識して取っています」という。
家族の支えも見逃せない。「どちらかというと、食べられなくなって体重が落ちるタイプ。家では妻が肉と魚の料理をいつも1品ずつ出してくれるので、バランスよく食べるようにしています」と感謝する。ストレッチをした後のシップ薬は、8月末に5歳の誕生日を迎えた長女が貼ってくれる。「手が届かないところに『匂いがきつい』と言いながら貼ってくれるんです」と頬を緩める岩嵜。
8月には3連投で2ホールドを挙げ、CS争いを繰り広げるチームに貢献した。「毎日、投げているような感覚でした」とソフトバンク時代の72試合登板を振り返った岩嵜は「時期も時期ですから、個人的には3連投もいいんじゃないかな。昔の話ですけど、経験していますから大丈夫かなと思います」。経験豊富な右腕がブルペンを支える。
〇北野正樹(きたの・まさき)大阪府生まれ。読売新聞大阪本社を経て、2020年12月からフリーランス。プロ野球・南海、阪急、巨人、阪神のほか、アマチュア野球やバレーボールなどを担当。1989年シーズンから発足したオリックスの担当記者一期生。関西運動記者クラブ会友。2023年12月からFull-Count編集部の「オリックス取材班」へ。
(北野正樹 / Masaki Kitano)