“まさか”の苦戦は「監督の失敗」 決勝進出確定も…指揮官は謝罪「苦しみを与えてしまった」

継投策が裏目に出て4失点に小倉監督「選手に申し訳ない」
謝罪と感謝を繰り返した。U-18野球日本代表「侍ジャパン」は12日、沖縄セルラースタジアム那覇で行われた「ラグザス presents 第32回 WBSC U-18 野球ワールドカップ」スーパーラウンド第2戦でパナマ代表と対戦し、延長9回までもつれた末6-5でサヨナラ勝ちを収めた。苦しい展開が続いた一戦に小倉全由監督は「自分が苦しみを与えてしまった」と反省した。
オープニングラウンドのグループBを3位通過してきた相手だったが、苦戦を強いられた。先発の森下翔太投手(創成館)は初回に三塁打から失点したものの、その後は延長8回2死で降板するまで11奪三振、1安打に抑える好投で試合を作った。しかし、2番手で登板した奥村頼人投手(横浜)が適時打を浴びた後、制球に苦しみ2者連続の押し出しで1-3に。
さらに、3番手として辻琉沙内野手(履正社)をマウンドに送るも、2者連続となる押し出し四死球で1-5に点差が開いた。それでも4番手の中野大虎投手(大阪桐蔭)が、きっちりと後続を抑え逆転のリズムを作った。
森下が好投していただけに難しい継投の判断となったが、小倉監督は「2死まで取ったので、力のある奥村の球で抑えられるだろう」と交代の意図を説明。それでも「思うようにいかなかった。苦しむ展開になって、選手たちに負担をかけてしまった。7回まで苦しんできて、そこからまた自分が苦しみを与えてしまった。あれはもう監督の失敗ですよ。選手には申し訳ない」と裏目に出た采配に反省を口にした。
それでも9回には1死満塁、フルカウントの場面で1番の岡部飛雄馬内野手(敦賀気比)にストライクスクイズのサインを出し、見事成功。スリーバントや失敗すれば併殺の可能性もある中、勝負に出て、サヨナラ勝ちをもたらした。「選手たちに勝たせてもらいました」。まだチームになって数日の関係性だが、ナインから慕う声も多い名将は、何度も選手への感謝を口にした。
(木村竜也 / Tatsuya Kimura)