戦力外→社会人入りで「プロのときより成長」 変化した考え…元燕・吉田大喜の今

ヤマハの補強選手として出場した東邦ガス・吉田大喜【写真:町田利衣】
ヤマハの補強選手として出場した東邦ガス・吉田大喜【写真:町田利衣】

元ヤクルトで東邦ガスの吉田大喜は、ヤマハの補強選手で都市対抗出場

 ヤクルトで2023年までプレーした吉田大喜投手は今、社会人野球の東邦ガスでプレーしている。ヤマハの補強選手として第96回都市対抗野球大会にも出場。プロ人生はわずか4年で幕を閉じたが、社会人2年目となり「プロのときにできなかったことができるようになっていたりもするので、成長はしているかなと思います」と胸を張った。

「ヤクルトではうまくいかないことの方が多かったので、もっとうまくなりたいという気持ちで社会人に来ました。だからプロのときよりもっとうまくなってやろうという気持ちで日々過ごしています」

 大冠高、日本体育大を経て2019年ドラフト2位でヤクルトに入団。“即戦力”の期待を受けたが、新人だった2020年は先発として14試合に登板して2勝7敗、防御率5.21に終わった。2021年は救援として16登板も、その後は機会を減らし、2023年は1軍登板なく戦力外となった。

「最初はびっくりしましたけど、冷静に年齢や入ってくる投手の数とかを考えて、そろそろ自分が危ないかなというのは思っていたので、納得っちゃ納得でした」

「もっと野球がうまくなりたいし、負けられないところで勝ちたい」

 プロ通算32試合で3勝9敗、防御率5.24。決して成功とは言えなかった4年間を「目先の結果にこだわっていたというか、どうしても結果を出さないといけなかったので、いつもの自分じゃないところで勝負してしまっていた。そこがうまくいかなかったかなと思います」と反省する。それでも現在は“心”を磨き、「社会人野球は一度負けたら終わりですけど、そこで自分の力を出せるようにマインドコントロールと言うか、自分の気持を持っていけるところは成長したかなと思います」とうなずいた。

 家族で移り住んだ愛知県の生活にもすっかり慣れて充実の毎日を送る。「プロは143試合あるので年間通してやる中で結果が求められる。社会人はシーズンが決まっているので、そこにいかにピークを持っていけるか。何と言っても一度負けたら終わりなので、次取り返すのは来年とかになってしまう。1敗する重みはすごく大きいなと思います」と真剣な眼差しを向けた。

「自チームでドームに出たいのが一番ですけど、やはり自分が技術的にも精神的にも成長することが一番です。もっと野球がうまくなりたいって日々思っていますし、負けられないところで勝ちたいという思いがあります」。見出した“やりがい”とともに、吉田大喜は第2の野球人生を歩んでいる。

○著者プロフィール
町田利衣(まちだ・りえ)
東京都生まれ。慶大を卒業後、スポーツニッポン新聞社に入社。北海道総局で日本ハム、東京本社スポーツ部でヤクルト、ロッテ、DeNAなどを担当。2021年10月からFull-Count編集部に所属。

(町田利衣 / Rie Machida)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY