川瀬堅斗が忘れぬT-岡田からのLINE 午前3時の祝福「見ていると思わなかった」

プロ初勝利の川瀬堅斗に届いたお祝いメッセージ
5年目にプロ初勝利を挙げたオリックスの川瀬堅斗投手が、“球界のパパ”と慕うT‐岡田氏のお祝いメッセージを胸に、チームの勝利に貢献することを誓った。
「午前3時ごろにLINEがきていました。海外に旅行中で、試合結果を見ているとは思わなかったし、メッセージがくると思ってもいませんでした。これが一番うれしかったですね」。川瀬が人懐っこい笑顔でLINEを見せてくれた。
川瀬は大分商から2020年育成ドラフト1位でオリックスに入団、2024年7月に支配下をつかんだ。現在、37歳のT-岡田氏と23歳の川瀬。距離が縮んだのは、川瀬が入団1、2年目のことだったという。
「リハビリでTさんと一緒になったことがきっかけで、そこから親しくさせていただきました」と川瀬。「ご飯にも誘っていただき、そこからですね」と言い、T‐岡田氏を「パパ」と呼ぶまでに。2軍の3年間で2勝(7敗)に終わった川瀬を、T‐岡田氏は「もっとちゃんと投げろよ」と笑顔で励まし続けたという。
支配下入りした年にT‐岡田氏は現役を引退した。現役中に活躍する姿を見せることはできなかったが、今年8月23日の楽天戦(楽天モバイルパーク)でプロ初勝利。5‐4の4回から2番手で登板し、3回を32球、僅か1安打の好投で白星を掴んだ。
目標とする先発での勝利ではなかったが「勝ちがついたということは、チームに貢献したということ。自分のことより、チームが勝つことが一番なので」と川瀬。そんな23歳右腕を、T‐岡田氏は「海外にいてもチームのことは気になりますから、速報で見ていました。本人としては順調ではなかったかもしれませんが、これからも一日一日を大切に過ごしてほしいですね」と温かく見守る。
9月1日から2軍で調整を続け、13日に1軍昇格したが「毎日、必死です。どこでも、どんな場面でも投げ抜いて、チームをいい順位で終わらせたいと思っています」と、川瀬は貪欲に前を見据えた。
〇北野正樹(きたの・まさき)大阪府生まれ。読売新聞大阪本社を経て、2020年12月からフリーランス。プロ野球・南海、阪急、巨人、阪神のほか、アマチュア野球やバレーボールなどを担当。1989年シーズンから発足したオリックスの担当記者一期生。関西運動記者クラブ会友。2023年12月からFull-Count編集部の「オリックス取材班」へ。
(北野正樹 / Masaki Kitano)