世界陸上の裏で…MLB球場で「世界一遅いレース」 10mに約2分も大歓声が生まれたワケ

サバンナ・バナナズのナイン【写真:アフロ】
サバンナ・バナナズのナイン【写真:アフロ】

「サバンナ・バナナズ」が開催した「世界一遅いレース」

 東京で開催されている陸上の世界選手権大会は連日大盛り上がりを見せている。21日には全競技が終了し、4×100メートルリレーなどの目玉競技が最後を飾る。そんな中、米球界ではあまりに愛らしく、「世界一遅いレース」がメジャーリーグ球場で開催されていた。

“熱戦”の舞台はマリナーズ本拠地T-モバイルパーク。開催したのは、歌って踊って“何度でもあり”のエンターテインメントが話題を呼ぶ「サバンナ・バナナズ」だ。先日は日本ハムで活躍した杉谷拳士氏も参加して日本でも注目されたのは記憶に新しい。満員の観客を迎え、初回の攻撃をゼロに抑えた後だった。

 突如、司会者と赤ちゃんを抱えた家族がフィールドに現れた。隣では普通に投手が投げ込みを行う異様な光景。「赤ちゃんの皆さん、位置について、よーいどん! スタートを切った!」としてまさかの“ハイハイレース”が実施された。

 しかし、そこは赤ちゃんだ。スタート位置から動かなかったり、泣き出したり、あらぬ方向に行ったり……。ゴールテープを持った家族が呼びかけるも、なかなか動き出さない。もっとも、「サバンナ・バナナズ」は何事にも本気だ。司会者はさながら世界陸上のように熱を持った実況を見せた。

「爆発的なスタートを切った! 微動だにしません! 待ってください! レーガンが動いている! ムークがリードを奪った!」「オリビアはバランスをとっているだけです! 赤ちゃんたちのペースを見てください!」「ムークはハリソンの動向を見ている! ファンの皆さん、私たちは一晩中ここにいるかもしれません!」などと“名実況”を展開した。

 痺れを切らした家族がゴールテープを持って徐々に近づくと、レース開始から約2分。「ハリソンが来ました! 世紀の大逆転になるか?! 彼は笑っている! ハリソンはまだ前に進んでいる! 彼が進む姿を見てください! 勝者だ! ハリソン、なんという逆転勝利!」と、約10メートルの“長距離”をハリソンが制し、熱戦は幕を閉じた。

【実際の映像】MLB球場で「史上最も遅いレース」開催 微笑ましい光景に米大歓声

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