生まれた儀式は「痛い時もあります」 廣岡大志のゴツン…安達コーチと2人の絆

オリックス・廣岡大志(左)と安達了一内野守備走塁コーチ【写真:栗木一考】
オリックス・廣岡大志(左)と安達了一内野守備走塁コーチ【写真:栗木一考】

廣岡、安達コーチの“儀式”に「なんで始めたのか、よく覚えていません」

 オリックス・廣岡大志内野手が、出塁時に一塁コーチャーの安達了一内野守備走塁コーチと交わす“儀式”がファンの間で話題となっている。「なんで始めたのか、よく覚えていません。安達コーチに聞いてくださいよ」。はにかみながら答えた。

 安打や四球などで出塁した廣岡と、安達コーチがヘルメットをコツンと合わせるようになったのは、8月頃から。安達コーチによると「出塁した時になんかやろうよ」と廣岡に声を掛けたのがきっかけだという。

 ドジャースの大谷翔平投手が昨季、出塁時に一塁コーチャーのクレイトン・マッカローコーチとヘルメットの横を合わせる「ヘッド・バンプ」と呼ばれるパフォーマンスが注目を集めたが「別にそれを意識したんじゃないんです」と安達コーチ。2人で申し合わせたのではなく、なんとなく自然に生まれた儀式のようだ。

 プロ10年目の今季、目標とした「開幕スタメン」はつかめなかった廣岡だが、初めて先発起用された4月9日のソフトバンク戦(京セラドーム)で3安打を放った後、1番打者として起用されることも多く、出場試合数と打席数はヤクルト時代の2019年(91試合、243打席)を大きく更新するキャリアハイを継続中で、初の規定打席到達も視野に入っている。

「本塁打の時は本塁で迎えるんですが、スピードがついていますから勢いよくゴツンと当たって痛い時もあります」と明かす安達コーチ。儀式の回数が増えるほどチームに貢献する上、廣岡自身の成績も向上するため、安達コーチにとっては嬉しい痛みのようだ。

「(規定打席の話は)シーズンが終わってから。1打席1打席、必死に食らいついていくだけです」と繰り返す廣岡。愚直にバットを振り、ボールを追いかける懸命な守備を最後まで貫く。

〇北野正樹(きたの・まさき)大阪府生まれ。読売新聞大阪本社を経て、2020年12月からフリーランス。プロ野球・南海、阪急、巨人、阪神のほか、アマチュア野球やバレーボールなどを担当。1989年シーズンから発足したオリックスの担当記者一期生。関西運動記者クラブ会友。2023年12月からFull-Count編集部の「オリックス取材班」へ。

(北野正樹 / Masaki Kitano)

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