大谷翔平が選曲? ド軍ベンチ裏から“平成の名曲”…世界一を「もう一回」つかむには

ダイヤモンドバックス戦に登板したドジャース・大谷翔平【写真:荒川祐史】
ダイヤモンドバックス戦に登板したドジャース・大谷翔平【写真:荒川祐史】

大谷は6回無失点好投も2勝目ならず…2位パドレスと1.5ゲーム差に

【MLB】Dバックス 5ー4 ドジャース(日本時間24日・フェニックス)

 ピリッと引き締まった表情だった。ドジャース・大谷翔平投手は23日(日本時間24日)の敵地・ダイヤモンドバックス戦で6回8奪三振無失点の好投。しかし、その後はブルペン陣が大乱調……。2勝目を逃すだけでなく、悪夢のようなサヨナラ負けを喫した。

「ブルペン陣も一丸となっていると思いますし、結果に関しては苦しいと思いますけど、それでも前半はブルペンのおかげで勝っている試合というのはいっぱいあるので。打線も、最近は下位打線を中心に、粘り強く得点するゲームが増えていると思う。ポジティブな部分もあるし、少しうまくいっていない部分もあると思う。あと少しですけど、みんなで頑張りたいなと思います」

 負け試合とあって7分40秒と短めの取材対応。とにかく必死に前を向いていた。

 地区優勝マジック3で敵地・アリゾナへ乗り込んだ。試合前、報道陣の話題も「ドジャースがいつ優勝を決めるか?」などと楽観的だったが、この日のサヨナラ負けで地区2位のパドレスと1.5ゲーム差。尻に火がつく展開になってきた。だが、これこそ大谷が求めてきたシーズン終盤の「ヒリヒリ」ではないか。

 ワールドシリーズを制覇した昨年もグラスノー、カーショー、ストーンら先発陣に負傷者が続出。先発投手で元気だったのは山本由伸とフラハティの2人だけで、ポストシーズンではブルペンゲームで勝ち切った試合は何試合もあった。レギュラーシーズンだけで162試合と長丁場。ドジャースのような分厚い選手層を誇るチームでも楽に勝てるシーズンなんてないのだ。

ドジャース・大谷翔平【写真:荒川祐史】
ドジャース・大谷翔平【写真:荒川祐史】

昨年は先発陣に負傷者が続出しながらも世界一に

 今年の救援防御率4.33はリーグ11位(メジャー21位)。守護神・スコットはこの日で10度目のセーブ失敗。昨年フル回転した右腕トライネンは9月だけで5敗を喫するなど、シーズン終盤にかけたブルペン陣の不振が深刻だ。

 これからどれだけ巻き返しても、ポストシーズンでの不安は消えないだろう。24日(同25日)の試合では佐々木朗希に加えてカーショーもブルペン待機する。救援陣の課題を克服すべく、打てる手は全て打っていくということか。

 ドジャースの打撃練習中、ベンチ裏のトレーニングルームから聞き慣れた平成の名曲が爆音で聞こえてきた。Mr.Childrenの「HANABI」だ。ヘッドトレーナーのトーマス・アルバート氏によると、トレーニングルームで流れる曲は、基本的にはアルバート氏が選曲。あとは同日の先発投手がリクエストするケースもあるのだという。アルバート氏は「日本の曲は知らない」と話していたので、ミスチルの名曲を選んだのは大谷ということになるが……。

 HANABIと言えば、なんと言ったってサビ部分の「もう一回 もう一回 もう一回 もう一回」が印象的だ。歌詞に沿って、ドジャースが「もう一回」ワールドシリーズ制覇するには……。HANABIの歌詞は少しヒントになりそうだ。

「誰も皆 問題を抱えている だけど素敵な明日を願っている 臆病風に吹かれて 波風が立った世界を どれだけ愛することができるだろう?」

 ヒリヒリする秋。「マウンドに行けと言われれば、行く準備を。それが仕事だと思うので。どういうシチュエーションでもしっかりと準備をして、対応したいなと思います」。ただただチームへの献身を誓う大谷は、これからどう立ち向かっていくのだろうか。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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