大谷翔平の怪我を「隠しました」 元ハム監督が明かす鉄人ぶり…周囲に伝えた文句

栗山英樹氏、黄金像のイベントで日本ハム時代を回顧
ドジャース・大谷翔平投手の知られざる逸話が明かされた。日本ハムのチーフ・ベースボール・オフィサーを務める栗山英樹氏が1日、横浜市内で行われた「横浜大黄金展」のイベントに登場。「打者・大谷」の等身大の黄金像がお披露目されると「感動しました」と興奮気味にコメントした。“大谷像”はユニホームの細かい線なども忠実に再現。スパイクを見た栗山氏は日本ハム監督時代の出来事を回顧した。
披露された高さ190センチの黄金像は大谷公認のもと、金箔1550枚を使用して株式会社SGCが製作。栗山氏は「しわ一つとっても、そのまま再現してくださっている」と驚き「スパイクのレガースとか見てしまいます。翔平が日本にいる時、自打球が当たって骨にヒビが入ってプレーを続けていた時があるんです」と秘話を明かした。
2013年に日本ハムに入団した大谷を投打の二刀流として育成。練習量は自然と多くなり、怪我には細心の注意を払っていたが、思わぬアクシデントに見舞われたという。「(世間には)隠しましたけど、周囲には強く言ったことがあります。『レガースが小さいっ!』って。ルール上、サイズは決まっているのに、文句を言ったことがあったんです」。
硬い黄金のスパイクを見て「これならカバーしてくれて大丈夫ですよね。ヒビが入らなくて良かったのに、と思います」。そう言って笑いを誘った後「それでもプレーを続けていたんです。翔平らしかったです」と続けた。痛みを押して続けた出場。二刀流を続けるメジャーリーグでもフル回転を続け、なかなか休養日を設けない大谷らしいエピソードである。
「過去のことは捨てて大事なのはここからどう輝くか」
くしくもドジャースがレッズとのワイルドカードシリーズ第1戦に臨み、大谷が2本塁打と大暴れした日のイベント。等身大像は「打者バージョン」で、投手を含めた二刀流の像は10分の1バージョン、20分の1バージョンも用意された。黄金像を前に「一緒に帰ろう、翔平!」と購入を示唆する場面も。「ずっと言ってきていますけど(投打の)2つやるのが彼にとっては普通のこと。必然なので、片方だとバランスが悪い」とも“指摘”した。
「まずは作っていただいて感謝しかないですし、本当にうれしい。これからピッチャーの像、その次は大変ですが、守備でダイビングしている像。いろんなプレースタイルがあるので、よろしくお願いします。夢が広がりますよね。楽しみが膨らみます」
話題が大谷のどんなプレーやどんな瞬間が好きかに及ぶと「彼が結果を出した瞬間、吠える瞬間が好きです」とコメント。指揮官と選手として、ともに世界一を成し遂げた2023年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の決勝を振り返り「最後、トラウトを三振に斬った時の表情とか、何か1つのことをやり切っていく表情に感動していた」と説明した。
「必死になる表情はとてもいいもの。力を与えてくれる。そんな姿もぜひ作っていただきたいなと思います」とリクエストも忘れない。日本ハム時代の“金の卵”が、今や等身大の“金の像”となり「プレーを見ているファンが、何ができるかの可能性を広げてくれるのが翔平の価値だと思います」と目を細める。
「子どもたちやファンに喜んでもらえるのが使命だと感じていると思う。過去のことは捨てて大事なのはここからどう輝くか」。怪我や手術を乗り越えて実績を重ねた過去より、重要なのはこれからの戦い。黄金像以上に輝く活躍を期待していた。
(尾辻剛 / Go Otsuji)