山岡泰輔が称える才木海翔の“天性の能力”「欲しい」 称えた右腕の姿「どんな場面でも」

百戦錬磨の山岡が称えた才木の度胸「凄いと思う」
先発として最高勝率のタイトルに輝き、セットアッパーとしても実績のあるオリックスの山岡泰輔投手が、後輩の才木海翔投手のマウンド度胸に憧れを持っているという。
「気持ちが人一倍強いからガッと入っていけるというところが凄いと思います。僕も気持ちは出る方ですが、あの(マウンドでの)気持ちは僕も欲しいですね」。社会人出身、9年目の山岡が、育成出身で3年目の後輩に敬意を表した。
山岡は瀬戸内高(広島)から東京ガスを経て2016年ドラフト1位でオリックスに入団。3年目に開幕投手を務め、13勝4敗で最高勝率のタイトルを獲得。2021年の日本シリーズで救援登板、2023年以降は先発と救援で起用されるケースもあったが、今季は勝負どころでの中継ぎを託されていた。
“伝家の宝刀”と呼ばれる縦のスライダーを武器に先発、中継ぎをこなしてきた百戦錬磨の山岡が、才木に一目置くのは救援の難しさを知るからだ。「ビハインドの登板は気持ちの持ち方が難しいのですが、あいつはどんな場面でも気持ちを出せるんです。天性じゃないかと思うほどです」。
ピンチでマウンドにあがる救援投手は、プレッシャーとの闘いだという。「厳しい場面で投げていかないと、そういう場面での気持ちや考え方は勉強することができないんです」と山岡。厳しさを知るからこそ、3年目の今季、アンドレス・マチャド投手に代わりクローザーを務めるまでに成長した才木の姿に目を見張り、活躍を称える気持ちが強くなる。
山岡は、才木を「消防士」と呼ぶ。燃え盛る火と対峙し、火災を鎮めるヒーローに畏敬の念を持つからこその呼称。チームのピンチに颯爽と駆け付ける火消しを2人で全うする覚悟だ。
〇北野正樹(きたの・まさき)大阪府生まれ。読売新聞大阪本社を経て、2020年12月からフリーランス。プロ野球・南海、阪急、巨人、阪神のほか、アマチュア野球やバレーボールなどを担当。1989年シーズンから発足したオリックスの担当記者一期生。関西運動記者クラブ会友。2023年12月からFull-Count編集部の「オリックス取材班」へ。
(北野正樹 / Masaki Kitano)