大谷翔平が逃したNo.1の座 “怪物”2人に完敗…二刀流復活よりも打棒を優遇

1位票はローリーが半数の12…ジャッジが8、大谷は4票
意外なほどの大差がついた。1942年創刊の野球専門誌「ベースボール・ダイジェスト」は3日(日本時間4日)、両リーグ合わせた今季の年間最優秀選手を発表し、メジャー最多60本塁打を放ったカル・ローリー捕手が選出された。二刀流で活躍したドジャース・大谷翔平投手はヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手に次ぐ3位にとどまった。
24人の識者による投票で決まり、ローリーは1位票を半数の12、2位票8、3位票を4集めた。ジャッジは1位票8、2位票13、3位票3、大谷は1位票4、2位票3、3位票14の内訳だった。
ローリーは歴史的な打棒を披露した。8月末に早くも捕手のシーズン記録を更新する49号を放つと、9月15日(同16日)の敵地ロイヤルズ戦で55・56号としてミッキー・マントルの両打ち選手の記録を塗り替えた。さらに22日(同23日)には57号を放ち、ケン・グリフィーJr.の球団記録を更新。最終的に史上7人目の60本塁打まで数字を伸ばした。
一方でジャッジも圧倒的だった。右肘の負傷で10試合欠場しながらも53本塁打&114打点はリーグ2位。何より今季は打率.331で自身初の首位打者に輝いた。首位打者と50本塁打を同一シーズンに達成したのは、1938年のジミー・フォックス、1956年のミッキー・マントル以来3人目の偉業だった。MVP投票で重要視されるWAR(ファングラフス版)10.1は両リーグ1位、2位ローリーに1.0差をつけた。
ナ・リーグMVPの最有力候補とされる大谷も、打者としてリーグ2位の55本塁打、同1位のOPS1.014を記録し、主要スタッツで“リーグ7冠”を達成。今季は投手としても14試合に先発登板して1勝1敗、防御率2.87と躍動した。
米スポーツ局「MLBネットワーク」では9月末に両リーグで1人だけMVPを選ぶとしたら誰か、との討論が行われ、司会を務めるグレッグ・アムシンガー氏は“ローリー一択”と主張した。結果的に、「ベースボール・ダイジェスト」と同じ“結末”だった。
(Full-Count編集部)