大谷翔平がPS初勝利、ド軍監督は大絶賛「これは前例のない」「歴史を目撃している」

フィリーズとの地区シリーズ第1戦に「1番・投手」で投打同時出場
【MLB】ドジャース 5ー3 フィリーズ(日本時間5日・フィラデルフィア)
ドジャースの大谷翔平投手は4日(日本時間5日)、フィリーズとの地区シリーズ第1戦に「1番・投手」で投打同時出場し、ポストシーズン初勝利を挙げた。6回9奪三振3安打3失点と好投。バットでは4打数無安打4三振に終わったが、デーブ・ロバーツ監督は大絶賛だった。
「これは前例のないことだ。あのレベルでこんなことを成し遂げた人間はいない。まるで2人の人間が1人の体の中にいるようだ。打撃では苦しんだが、完全に切り離して投手に集中した。3失点から立ち直って、6回まで投げ抜いて試合を作った。普通の人間には切り替えることはできない。我々は歴史を目撃しているのだと思う」
投手・大谷は2回に3失点したが、3回以降は立て直した。5回2死一、二塁のピンチではシュワーバーをカーブで空振り三振に。右手を強く握り締め、雄叫びをあげた。6回89球を投げ、9奪三振1四球、3安打3失点の力投だった。
「投げることに良くなっていると感じました。球威や内容に落ち込みは見えなかったし、数イニングを稼いでもらえれば、次の試合にもプラスになる。6回を終えた時点で十分に役割を果たしたと判断した。6回を投げ切ってくれると確認していた」
一方、バットでは不発に終わった。主軸の大谷から当たりが出ない中での勝利は「非常に大きい」と指揮官は力説する。
「常に完璧というわけではない。ただ、3失点してもその後を無失点で投げ切った。クオリティスタートで、勝ち投手にもなった。我々のチームは『誰かが誰かを助ける』ことができるチーム。普段は先発投手がリリーフで登板してしっかり役割を果たす。まさにチーム全員で勝ち取った勝利だ」
大谷は9回の打席で初球でバントの構えを見せた。投球はボールとなり、最後は四球を選んだ。指揮官はベンチから「打席で時間を稼ぐように指示していた」という。
「(9回から救援する)朗希の準備時間を少しでも稼ぎたかったからだ。相手が代打を送ったりしていたので、べシアを続投させるか、トライネンを控えに置くかを考えながら、最終的に朗希に任せる判断をした。そのための時間稼ぎをして欲しかった」
3点差逆転勝ち。ロバーツ監督は笑顔で会見を締め括った。
(小谷真弥 / Masaya Kotani)