戦力外も納得…開幕前に“終わった”移籍1年目 28歳の立つ岐路「何も役に立てず」

DeNAを戦力外となった笠谷俊介は3月23日の2軍戦以降実戦登板なし
2年連続の通告だった。DeNAの笠谷俊介投手は9月30日に、2026年シーズンの契約を結ばない旨を通知された。ソフトバンクを戦力外となりDeNAに育成で加入してわずか1年。「こうやって獲ってもらって、何も役に立てずというのが一番。もうちょっとできたらよかったなって……」と悔やんだ。
支配下どころか、実戦マウンドにも立てない日々が続いた。2月途中に春季キャンプA班に合流と、スタートは順調だった。しかし2月22日の巨人とのオープン戦に登板も、大城に3ランを浴びるなど1回4失点。その後、3月23日のイースタン・リーグ、楽天戦で1/3回を無失点に抑えたが、それ以降、左腕が登板することはなかった。
原因は左手指の怪我だった。「長引いてしまって、治ればってところだったんですけど、治らず終わってしまいました」。リハビリに明け暮れる中で、「試合を見ていたら出たいなという気持ちにすごくなりました」と闘争心を掻き立てられたが、最後までその場所は遠かった。
2014年ドラフト4位で大分商から入団したソフトバンクで10年間を過ごした。昨季は1軍登板なく戦力外となったが、2軍では24登板で2勝3敗1セーブ、防御率2.82の成績。複数球団から連絡があり、中には支配下での誘いもあったというが、一番最初に電話がきたDeNAのユニホームに袖を通した。
「結果が全ての世界なので、仕方ないっちゃ仕方ないかなと思っています。まだ現役をしたいですし、どこかで野球ができたらいいなと思います」。28歳は志半ば。横浜では発揮できなかった力を、次なる場所でぶつける。
(町田利衣 / Rie Machida)